マットレスにカビが生えてしまったときは、まず当ページで紹介している除去方法を試してみましょう。
ただしそれでも除去できなかった場合、そのまま使用するのは危険です。捨てる選択肢のみ残ります。
よければカビが体に与える影響から確認してみてくださいね。
【そのままの使用は危険】マットレスのカビが体に与える影響は?
マットレスの裏面や側面にカビが生えてしまうことが多いですが、直接身体に触れないからだいじょうぶなんてことにはなりません。
カビは空気中を舞いますし、常に繁殖して広範囲に広がっていきます。
マットレスのカビで恐れるべき理由は「健康被害」です。カビが原因で発症してしまう恐れのある感染症や中毒症状は以下のとおり。
自分でできるマットレスのカビ除去方法
ベッドを窓際に置いていたり、マットレスを直置きしていると、知らぬ間にカビが生えてるなんてことはよくある事例です。
寝室に発生するカビの種類には主に3つです。一番多いのが「アスペルギルス=赤カビ」「クラドスポリウム=黒カビ」「ペニシリウム=主に青系」。
こちらでは自分でできるマットレスのカビ除去方法を簡単に解説しています。
消毒用エタノールでカビを除去
◎メリット | △デメリット |
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消毒用エタノール(商品例)
- 消毒用エタノールIPA スプレー式
- BY ROLAND アルコール77%製剤a
カビはアルコールに弱いので、少しでも触れると死滅します。
エタノール濃度は70~80%のものがカビに有効です。
1903 年、Harrington C, Walker5 )により、60~70 v/v%のエタノール濃度で乾燥状態である 4 種類の一般細菌に対する殺菌効果が最も高いことが報告
掃除手順
- ティッシュに消毒用エタノールを含ませる
→1時間ほど置くと効果的 - カビ発生箇所をおさえるようにして拭く
- カビ発生箇所に直接吹きかける
- 清潔なふきん等でふき取る
- ドライヤーでしっかり乾かす
はじめにスプレーを直接かけてしまうと、カビの胞子が放散してしまう可能性があるので、まずはティッシュにエタノールを含ませて拭きましょう。
塩素系漂白剤でカビを除去
塩素系漂白剤は布地やカバー素材が痛んでしまったり、色落ちしやすいため正直あまりおすすめできません。ただカビ除去目的としては一番強力です。
色落ちを加味して真っ白い布団やマットレスのみに使用しましょう。
◎メリット | △デメリット |
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塩素系漂白材(商品例)
- カビキラー
- カビハイター
- キッチンハイター
- カビソフト除去スプレー
掃除手順
- ハイターは水で薄めて使用してください。
→スプレータイプでも直接吹きかけないことをおすすめします。 - ふきんの先につけてカビ発生箇所に叩くようにして浸透させる
- 普通の水で濡らして硬く絞ったふきんでふき取る
- なんども繰り返すことでハイターの成分を取り除く
- ドライヤーでしっかり乾かす
そもそも塩素系漂白剤は布製品のカビ除去用につくられていません。カビキラー公式サイトのよくある質問でも、「布製品には使用できません」という胸が記載されています。
また、どうしても塩素系漂白剤を使用するときには、手につかないようゴム手袋等で保護してください。
カビ除去ソフトスプレー(以下画像商品)という商品がありますが、比較的扱いやすいので塩素系漂白剤で除去してみるという人にはおすすめです。
酸素系漂白剤でカビを除去
◎メリット | △デメリット |
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酸素系漂白材(商品例)
- ワイドハイターEX
- オキシクリーン
- シャボン玉酸素系漂白剤
水洗いできないマットレスの場合は、ワイドハイターEXよりも、オキシクリーンかシャボン玉酸素系漂白剤をおすすめします。というのも、界面活性剤が入っているか入っていないかの違いがあるからです。
界面活性剤に触れ続けると、肌の皮膚膜がどんどん薄くなってしまいます。簡単にいうと、手荒れやかぶれを起こしてしまう原因となってしまうのです。
合成洗剤、洗浄剤による皮膚障害が問題となっている。これは界面活性剤によって皮膚のバリアが破壊されることが、原因のひとつと考えられる。
つまり、界面活性剤が使われるワイドハイターEXはマットレスを洗うときには適さないといえます。他サイトではおすすめされているのを見かけますが、筆者としては完全NGです。
一方、オキシクリーンとシャボン玉酸素系漂白剤は、酸素系の過炭酸ナトリウムのみなので安心です。ちなみに過炭酸ナトリウムは水に溶けると炭酸ソーダと水、酸素に分解され、漂白・除菌・消臭効果を働かせます。
オキシクリーンは本当に大丈夫?
過炭酸ナトリウムは、40~50度のお湯で使用するのが効果的です。
掃除手順
- 40〜50度を用意(熱いお風呂くらい(ギリギリ手を入れられるくらいの熱さ)
- お湯1リットルに対し粉末小さじ1(10ml)以下入れる
- スプレー容器に入れてティッシュ等に吹きかけてカビを軽くふき取る(叩くように)
- カビ発生箇所に吹きかける
- 30分以上放置
「シャボン玉 酸素系漂白剤」は筆者の自宅でもお掃除用必須アイテムです。
匂いなし、粉末をぬるま湯に溶かしてスプレーにしたり、手軽に幅広く使えます。もちろんマットレスや他布製品、キッチンまわりの漂白にも使えるのでぜひチェックしてみてください。
カビ除去時の注意点
カビ除去時に気をつけるべきことをまとめています。
側生地は外す
カビが側生地だけなら、マットレス内部に水分や薬剤がしみ込まないように外して作業をおこないましょう。特にウレタンマットレスの場合は、水濡れ厳禁です。劣化の原因となってしまいます。
マスクや換気は必須
カビ除去作業中は密室で行うのは危険です。比較的ソフトな酸素系漂白剤でも、気分が悪くなることもあるでしょう。窓をあけ、マスクをして、できればゴーグルもすると安心です。また長時間の作業をしないように、さくっと終わらせましょう。
掃除機や水拭きはNG
掃除機で吸ったカビは掃除機の排気口からでてきて部屋の中を舞ってしまいます。部屋中にカビの胞子が広がることになるでしょう。また、ただ水拭きするだけではカビは除去できるどころか、広がったり色素が定着するだけになってしまいます。
塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜない
塩素漂白剤と酸素漂白剤を混ぜてしまうと化学反応が起こり、有害な塩素ガスや塩素酸素ガスが発生するため、絶対に混ぜてはいけません。混ざってしまった場合は、直ちに換気して安全な場所に避難しましょう。
完全に乾かしてから使う
カビ除去後は必ず完全に乾かしてからマットレスを使用しましょう。
水気が残っていると、カビが新たに発生する恐れがあります。マットレスを立てかけたり、扇風機を当てる、窓をあけるなどしてしっかり水気を放散してください。
マットレスの洗濯表示をしっかり確認する
塩素系・酸素系漂白剤を使えるかどうかの表記は上記画像のとおりです。
そもそも「塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止」となっていればカビ除去をあきらめるべきではないでしょうか。
プロ(クリーニング業者)に任せる
マットレスのカビ除去はプロに任せることで、カビ以外のフケやダニなどの汚れもきれいにしてくれるのがメリットです。
プロ専用の薬剤や機材を使用し、側生地からマットレス内部まできれいにくれるので、残留することもなく再発することも防いでくれます。
相場はだいたい1万円から2万円程度です。
自分でカビ除去したくない人や、「このカビは取れるの?」といった疑問や不安のある人は、プロに相談してみるのもひとつの手ではないでしょうか。
「ユアマイスター」というサービスを使うと、自宅近くの業者を簡単に探せますよ。他だとくらしのマーケットもおすすめです。
カビが除去できないなら捨てるべき
正直、カビが発生した時点で、処分という選択肢もありです。
マットレス購入から何年くらい経っているのかも考慮して、新しいマットレスを購入した方が良いのかどうか考えてみてください。
例えば、5年使用しているマットレスにカビが生えたとします。「購入価格は3万円...最近腰まわりが痛くなってきた...」
もう十分に役割をはたしていませんか?
へたり具合も見ながら、手間やお金をかけてカビを除去する価値があるのかを判断していただけるとよろしいかと思います。