近年、スプリングなしでつくられるノンコイルのマットレスが人気です。マットレス選びをしている人も「コイル」か「ノンコイル」かで悩むことがあるでしょう。
この記事では、ノンコイルマットレスのメリットやデメリットをわかりやすく紹介しています。
ノンコイルマットレスとは
ノンコイルマットレスとは、金属製のスプリングを使わないでつくられたウレタンやポリエチレン製などのマットレスのことです。
以前まで「コイルマットレスの寝心地」には敵わなかった
日本で初めてウレタン製マットレスをつくったのは、これまた初めて硬質ウレタンフォームを日本で生産開始した「株式会社イノアック」です。
ウレタンマットレスはお得で手軽ながらも、「コイルマットレスの寝心地」に敵うマットレスにはなりえませんでした。しかし、近年では金属スプリングにも負けず劣らずの反発力やサポート性・体圧分散性を実現することができ、高い品質をもつノンコイルマットレスが続々登場しています。一昔前にいわれていた「寝心地の良いマットレス=コイルマットレス」とは、ハッキリ言い切れなくなっています。
ノンコイルマットレスの種類
ノンコイルマットレスはウレタンだけではありません。以下のような種類があります。
ノンコイルマットレス
- ラテックスマットレス
- ファイバーマットレス
ラテックスマットレスは天然ゴムを素材とした弾力性と耐久性に非常に優れたマットレスです。
ファイバーマットレスはポリエチレンやポリエステル樹脂を水の中に垂らして繊維状に加工し、成型してつくられたマットレス。
耐久性はやや劣りますが、サポート性や反発性に優れています。
どちらもある程度の品質を求めると10万円以上するもの。3万円以上でそこそこの品質が得られるウレタンマットレスより、大幅に値段が高くなる傾向です。
ノンコイルマットレスのメリット
ノンコイルマットレスのメリットは以下のとおり。
ノンコイルのメリット
- 三つ折りや分割など多種多様な商品がある
- 比較的軽くて扱いやすい
- 振動やきしみの心配が少ない
- 廃棄が簡単にできる
- 比較的安くお財布にやさしめ
三つ折りや分割など多種多様な商品がある
ノンコイルの素材はコイル素材よりも加工しやすく、コンパクトに折りたためるものや3分割できたり、多種多様な商品がでまわっています。そのため、使用用途や目的に合ったタイプのマットレスを選ぶことができます。
コイルにも三つ折りタイプのマットレスはありますが、種類が少ないためお気に入りの商品は見つけにくいです。
比較的軽くて扱いやすい
ノンコイルマットレスはコイルマットレスと比べて、重量が大きく違います。
タイプ | ノンコイル | コイル |
---|---|---|
重量(シングル) | 7~15㎏ | 20~30㎏ |
厚みやサイズが大きくなると重量も比例して重たくなりますが、比較的軽くて扱いやすいのがメリットです。
振動やきしみの心配が少ない
ノンコイルマットレスは振動が少なく、となりで寝てる人の動きを感じにくいメリットがあります。また、コイルのようにきしみ音の心配がありません。
となりで寝てるパートナーの動きや、コイルのきしみが気になるような神経質な人はウレタンがおすすめできます。
廃棄が簡単にできる
マットレスは大型家具のため、基本的に粗大ごみで廃棄します。しかし、スプリング入りのコイルマットレスは回収できない自治体が多いです。
もし回収できない場合、専門業者に1~2万円ほど支払って依頼することになるでしょう。廃棄の手間を考えたくない人はノンコイルマットレスを選ぶことをおすすめします。
ちなみに、スプリングコイル入りのマットレスは回収や廃棄負担の大きい商品です。環境配慮の意識が高いヨーロッパではコイルを使わないメタルフリーのノンコイルマットレスが人気となってます。
比較的安くお財布にやさしめ
コイルマットレスはスプリング素材の取り扱いや、部品が多いことなどが要因で割高傾向となってます。
一方、ノンコイルマットレスは寝心地が良いのに比較的リーズナブルなものが多いです。イメージとしては7万円のコイルマットレスの寝心地は、5万円のノンコイルで実現できるといった具合。
ノンコイルマットレスの方がコスパの良さを感じやすいです。
ノンコイルマットレスのデメリット
ノンコイルマットレスのデメリットは以下のとおりです。
ノンコイルのデメリット
- 素材によって通気性が良くない
- 耐久性はコイルほど高くない
- 安物を買うと失敗しやすい
素材によって通気性が良くない
ノンコイルマットレスはコイルマットレスよりも通気性に劣ります。
例えば、ウレタンマットレスは密度が詰まった素材ですので、空気の通り道が少なくなってます。一方、コイルマットレスは中材がスプリングコイルですから、バネのすき間が多くあります。そのため睡眠中の体熱であたたまった空気や湿気が外に抜けやすくなってます。
ノンコイルでもより通気性の高いものを求めるなら、「オープンセルウレタン使用」と記載されてる商品を選んでみてください。
クローズドセル | オープンセル |
通気孔が少なく気密性が高いため通気性が低い。比較的安価な商品に使われる。 | 通気孔が無数にあり通気性が高いためムレにくい。比較的高価な商品に使われる。 |
オープンセル商品例
- エママットレス
- コアラマットレス
- 快眠タイムズマットレス
また、もし通気性の良さを一番重視するならファイバーマットレスを選んでみるとムレを避けることができます。
耐久性はコイルほど高くない
ノンコイル素材は金属製のコイル素材よりも耐久性に劣ります。
コイルは金属ですので当然耐久性が高くなっています。ただクッション材でよく使われるウレタンフォームや綿などの詰め物はコイルより先にへたってしまうため、全体的なマットレスの寿命としてはせいぜい10年前後です。
一方、ノンコイルでもウレタン密度が高いものであれば8~10年、最大15年ほど使用できるといった長寿命のマットレスもあります。ノンコイルといっても価格や品質の幅が広いため一概には言えないのですね。
ただ基本的にはコイル素材のマットレスの方が寿命が長く持つ傾向です。
安物を買うと失敗しやすい
ノンコイルマットレスは1万円以下の商品もネットショップや量販店で出まわっています。安かろう悪かろうという言葉があるように、マットレスも値段と比例して品質が上下します。
寝心地が良いモノを探しているなら3万円~5万円の価格帯を選べば満足しやすいでしょう。睡眠の質をしっかり上げたいと考えるならば、7万円前後のノンコイルを選ぶことをおすすめします。
おすすめのノンコイルマットレス3選
上級睡眠健康指導士の私が実際に体験したマットレスの中から、ノンコイルでおすすめしたいマットレスを3つ紹介します。
【しっかりめのサポート力】エマ・マットレス
価格(税込) | 99,000円 →半額セール中 |
---|---|
厚み | 24cm |
重さ | 21kg |
密度 | 約40D |
タイプ | 高反発ウレタン |
かたさ | ふつう~やや硬め |
製品保証 | 10年間 |
返品保証 | 100日間 |
エマスリープは世界で600万人が愛用するドイツ発のブランド。
脚から頭部分まで7つに分けて、各部位の硬さを適切に調整する7ゾーニング構造によって、負担の少ないきれいな寝姿勢に整えます。一方で、弾力もしっかりあるため寝返り時のサポートも十分。万人におすすめできるような寝心地です。
エマスリープでは3つのモデルが販売されており、予算や好みによって選べます。
【柔らかさと弾力性のバランス感】快眠タイムズマットレス
価格(税込) | 50,000円 |
厚み | 20cm |
重さ | 15.5kg |
密度 | 1層目:45D・2層目:45D・3層目:32D |
タイプ | 高反発ウレタン |
かたさ | やや柔らかめ~ふつう |
製品保証 | 5年間 |
返品保証 | 60日間 |
快眠タイムズマットレスはふわふわ感のあるタッチと、しっかりしたサポート性が絶妙なバランスの寝心地です。腰部分がやや硬めのゾーニング設計、通気性を最大化する構造、ファスナーには再製鉄を使用し環境にも配慮しているなど、こだわりを肌で感じられます。
比較的体重が軽め、筋肉質な人よりはふつう~痩せ型の人の方がおすすめできます。体型さえ合えば、腰に不安のある人にも合いやすいマットレスです。
【脱敷布団!身体に馴染みやすい】雲のやすらぎプレミアム
価格(税込) | 39,800円 |
---|---|
厚み | 約17cm |
重さ | 約7kg |
密度 | 35D |
タイプ | 高反発ウレタン |
かたさ | やや柔らかめ~ふつう |
製品保証 | なし |
返品保証 | 100日間 |
雲のやすらぎは腰にやさしい設計で、腰痛持ちの人に大変評判の良いマットレスです。裏表でリバーシブル可能。それぞれメッシュ生地とニット生地でつくられており、季節によってひっくり返して使うことで一年中快適に過ごせます。
厚みが約17cmもあるのに軽くて扱いやすいのもメリット。また、羊毛を使っていたり体圧分散効率の高い素材を使っていたりと、腰に負担のかかりにくい特徴が多く詰まっています。詳細sが気になる人はぜひ公式サイトでごらんください。