睡眠中でほぼ無意識ですが、大人はひと晩に20~30回寝返りをします。
寝返りは体液(血液)の循環を滞らせないようにしたり、体温を調節するなどとても重要な役割を持っています。
この寝返りは、うまく打てないと寝起きの体の不調を引き起こしてしまうこともあります。さらに悪化すると日常生活にも支障をきたします。
そこで今回は、寝返りが打てない原因を解説、必要な対策についてもご紹介していくので、寝起きの体に不調を感じている人はぜひ参考にしてくださいね。
寝返りが打てない原因は?
寝返りが打てない原因を知ることが、改善を促す第一歩です。ここでは寝返りが打てない原因を4つ紹介します。
- マットレスが柔らかすぎる
- 枕が合っていない
- 掛け布団や毛布が重い
- 筋力の低下
ひとつずつ解説していきます。
マットレスが柔らかすぎる
寝返りを妨げる原因のひとつに、柔らかすぎるマットレスがあります。
マットレスが柔らかすぎると余計に体が沈み込み、スムーズに寝返りができません。
特に、体格が良かったり体重の重い男性は柔らかい低反発マットレスに注意しましょう。包み込むような寝心地に体がとられて体力を消耗し、寝たはずなのに疲れが残ってしまうことにも繋がりかねません。
また狭すぎるマットレスも注意が必要です。「寝返りしたら落ちるかも」と考え、無意識に寝返りを控えるようになります。
枕が合っていない
柔らかすぎる枕は寝返りに悪影響です。頭が沈みすぎてうまく寝返りが打てなくなります。
また、サイズが小さすぎる枕もNGです。マットレスと同様、無意識に「寝返りしたら頭が落ちる」と考え、寝返りを控えるようになってしまいます。
掛け布団や毛布が重い
重い掛布団や毛布を使っているとスムーズに寝返りが打てなくなります。上からフタをするように横になった体を掛布団で押さえつけているためです。
特に掛布団や毛布の枚数が増える冬の時期は、寝返りの回数が減る傾向にあります。
筋力の低下
筋力の低下も、寝返りが打てない原因のひとつです。
ストレッチや運動習慣のない人は体が凝り固まっています。体が硬くなると可動範囲が狭くなり寝返りがしにくくなるのです。
また毎日見るスマホやパソコンも、体が凝ってしまう原因になります。スマホやパソコンを見ているとき猫背になりがちですが、悪い姿勢を正そうと意識することは少ないですよね。そのまま体が凝り固まってしまうことで就寝後、寝返りが打ちにくくなります。
寝返りが打てないとどうなる?
寝返りを打てない状態が続くと本来の役割が果たされず、体に良くない影響が出ます。ここでは3つの影響について紹介します。
体に起こる悪影響
- 腰痛や肩こりになる
- 浅い睡眠になる
- 疲れが取れない
寝返りが打てない状態が長く続くと、体に痛みを感じやすくなります。
体の一部に負担が集中して、圧迫された部分が血行不良になるためです。
腰痛や肩こり以外に、首こりが原因の頭痛になる人もいます。
また寝返りできていない状態は、睡眠が浅くなります。ぐっすり眠れていないため、たくさん寝ても疲労感が残りやすいです。
すっきり目覚めて活動的に過ごすためにも、スムーズな寝返りを打てる睡眠環境が大切になります。
寝返りが打てなくて体が痛いときの対策
寝返りを打てないままにしていると、体の痛みは悪化する一方です。ここでは体が痛いと感じたときにすぐ実践できる対策を4つ紹介します。
体が痛いときの対策
- クッションや枕を利用する
- マットレスを見直す
- パジャマを見直す
- 適度な運動を取り入れる
クッションや枕を活用する
寝返りが打てなくて体が痛いと感じたらクッションや枕を活用しましょう。
反り腰気味な女性におすすめです。反り腰の人は寝たときに腰が浮きやすい傾向にあります。
クッションを使った対策
- マットレスにあお向けになり膝を立てる
- 膝でクッションや枕を挟む
やり方はまず、マットレスにあお向け寝になり膝を立ててたら、ヒザ下にクッションや枕を差しこみます。
膝を立てて寝ることで、S字カーブの湾曲が和らぎ、腰への負担を軽減できます。
また、横向きの場合でも上に来る方の脚を曲げ、その下に枕やクッションを潜り込ませて挟むと腰痛が軽減され楽になります。
参考:あらた整骨院
ただこちらは一時的な対処法となるので、長期で痛みが続く場合は寝具の見直しをする必要がでてきます。
マットレスを見直す
スムーズな寝返りをできるようにするためにマットレスを見直しましょう。
寝返り重視で選ぶなら、反発力の高いポケットコイルやボンネルコイルのマットレスがおすすめです。コイルが体を跳ね返してくれるので、寝返りしやすくなります。
反対にウレタンやファイバーのようなノンコイルのマットレスはおすすめしません。沈みやすい腰や肩に体圧が集中して負荷がかかります。どうしてもノンコイルを選びたいときは、体圧分散性に優れた構造のものを選びましょう。
ただし硬すぎるマットレスにも注意が必要です。マットレスが硬すぎると寝たときに背骨が反って、背中や腰を痛めます。体に負担をかけることになるので、適度な硬さを選びましょう。
パジャマを見直す
また見落としがちなのがパジャマです。
寝返りのしやすさ重視で選ぶなら、吸湿性の高い天然素材のパジャマを、ゆとりのあるサイズで選びましょう。
モコモコした生地は掛布団やシーツとの摩擦抵抗が大きくなるため、寝返りが打ちにくくなります。厚手すぎたり、何枚も重ね着するのも控えましょう。
適度な運動を取り入れる
寝返りが打てなくて体が痛いと感じたら適度な運動やストレッチを日々の習慣に取り入れてください。
デスクワークで同じ姿勢が続きやすい人は猫背のまま体が凝ってしまいいます。軽めの運動やストレッチを習慣にして、体をリラックスさせましょう。
忙しくて時間の確保が難しければ、仕事の休憩中にできるストレッチから始めてみてください。
トイレの個室内でもできるような、省スペースで実践できる簡単なストレッチもあります。休日に軽めのジョギングや散歩をするのもおすすめです。
寝返りの役割
普段何気なく行っている寝返りですが、とても大切な役割を担っています。ここでは寝返りの3つの役割について確認しましょう。
体液循環を促す
寝返りの役割は、体液循環を促すことです。ずっと同じ姿勢で寝ていると、体圧が一部に偏ります。
体圧が集中する箇所は体液循環が滞りやすいため、痛みやしびれといった症状を感じやすくなります。
とくに長い時間、背面が下にあると体液循環が滞りやすいです。背中や腰など重い部位がマットレスに押しつけられたままになると、体全体の体液循環に影響します。
体温を調節する
睡眠中の体温調節も、寝返りの大切な役割です。同じ姿勢のまま寝ていると、体と寝具の接地面に熱がこもります。
とくに高温多湿の夏は、寝苦しさを感じやすい時期です。寝返りによって熱を逃がすことで、睡眠の質の低下を抑制しています。
姿勢をリセットする
寝返りの役割は、姿勢をリセットすることです。無意識によるクセや重力による負荷で、昼間の活動的な時間に体の歪みは少しずつ進行します。
睡眠中に寝返りしながら体を緩めて、朝までに姿勢をリセットしているのです。
まとめ
寝返りを打てない原因は主に寝具が体に合っていないことと、筋力の低下です。
腰痛や肩こり、睡眠不足によるストレスを感じる前に、寝具を見直したり、ストレッチを取り入れて寝返りしやすい環境を整えましょう。
「寝ても疲れがとれにくい」「朝起きると体が痛い」人は、実際に寝返りが打てているか確認してみてください。
ビデオカメラをセットして撮影する方法が確実ですが、もっと簡単にチェックしたいならスマホの睡眠アプリを活用しましょう。
寝返り回数をカウントできるアプリを選べば、寝返りが打てているかどうか手軽に確認できます。