マットレスは毎日使うものだからこそ、うっかり「よだれ」や「血液」「飲み物」をこぼしてしまったり、時間とともに「黄ばみ」が出てきたりと、染みがつくのは避けられません。ところが一度ついてしまうと、簡単には落とせず「買い替えしかないのでは…」と悩む人も多いはずです。
実は、マットレスの染み抜きは家庭でも十分に対応できるケースがほとんど。汚れの原因に合わせた正しい対処法を知っておけば、高価なクリーニングに出さずともきれいな状態を取り戻すことが可能です。
この記事では、「黄ばみ」「血液」「よだれ」など汚れの種類別に落とし方を詳しく解説し、人気のウタマロ活用法や掃除機との併用テクニックも紹介します。また、自宅ケアでは落とせない場合に頼れる業者クリーニングについても触れますので、マットレスのシミに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
カビが出ている場合は、マットレスのカビ除去方法記事も参考にしてください。
この記事の監修者
身長175㎝/体重62㎏。眠ハックの運営者。睡眠で悩む人の相談を受けたり講習会を通して睡眠の大切さを世に広める活動をしている。マットレスや枕選びはYouTubeで好評受付中。
>>プロフィール
マットレスの染み抜きは自宅でできる?基本の考え方
マットレスの染み抜きは、基本的に自宅でも十分に対応可能です。ポイントは、「汚れがついてからどれだけ早く対処できるか」と「汚れの性質に合った方法を選ぶか」に尽きます。
マットレスは内部まで水分が染み込みやすく、一度汚れが沈着すると落としにくくなってしまいます。放置すれば黄ばみやカビ、嫌なニオイの原因にもなるため、気づいたらすぐに処置することが大切です。
まず行うべき基本ステップは以下の3つです。
- 乾いたタオルで汚れを「押さえる」(こすらず吸い取る)
- 中性洗剤を薄めて汚れ部分を「たたき洗い」する
- しっかり乾燥させる(送風・掃除機・天日干しなど)
このとき注意したいのが、「水を使いすぎないこと」。水分が多いと内部まで染み込んでしまい、カビや劣化を招く原因になります。汚れを落としたら、ドライヤーの冷風や扇風機、掃除機の送風機能などを使って内部までしっかり乾燥させましょう。
また、日常的に防水シーツやマットレスプロテクターを使っておくと、シミの予防にもなり、染み抜きの手間が大きく減らせます。
-
-
参考マットレスプロテクターは本当に必要?メリット・デメリットと不要なケースまで徹底解説
続きを見る
汚れ別|マットレスの染み抜き方法【自宅でできる】
マットレスの染みは原因ごとに性質が異なるため、「どの汚れにも同じやり方で対処する」のはNGです。汗や皮脂による黄ばみ、たんぱく質が固まる血液汚れ、雑菌やニオイにつながるよだれや飲み物のシミなど、それぞれに合った落とし方を選ぶことで、家庭でもしっかりときれいにできます。ここからは、汚れの種類別に効果的な染み抜き方法を解説していきます。
黄ばみ(汗・皮脂)の染み抜き
時間が経って浮き出てくる黄ばみは、汗や皮脂が酸化したものです。軽度なら中性洗剤でも落とせますが、しつこい黄ばみには重曹やクエン酸などのナチュラル洗剤が効果的です。
手順
- 重曹大さじ1をぬるま湯200mlに溶かし、スプレー容器に入れる
- 黄ばみ部分にスプレーし、清潔なタオルで「トントン」とたたき出す
- 仕上げに乾いた布で水分を吸い取り、しっかり乾燥させる
皮脂の酸化汚れには、ウタマロクリーナーもおすすめ。スプレーして数分おいたあと軽くたたき洗いするだけで、黄ばみが薄くなりやすくなります。


血液の染み抜き
血液はたんぱく質汚れのため、お湯では固まって逆効果。冷水で落とすのが鉄則です。新しい汚れなら水洗いだけで落ちることもありますが、時間が経っている場合は酸素系漂白剤を使いましょう。
手順
- 冷水を含ませたタオルで血を「押さえる」ように吸い取る
- 中性洗剤を水で薄めた液をつけてたたき洗い
- 落ちにくい場合は酸素系漂白剤を少量つけて再度たたく
- 水拭きして洗剤をしっかり落とし、乾燥させる
※塩素系漂白剤は生地を傷めるため、必ず酸素系を選びましょう。
よだれ・飲み物など水性汚れの染み抜き
よだれやコーヒーなどの水性汚れは放置すると雑菌が繁殖し、ニオイや黒ずみの原因になります。すぐに対処するのがポイントです。
手順
- 乾いた布やキッチンペーパーで水分を吸い取る
- 中性洗剤(またはウタマロクリーナー)を薄めた液でたたき洗い
- 清潔な水で濡らした布で洗剤をしっかり拭き取る
- ドライヤーの冷風や扇風機で完全に乾燥させる
乾燥が不十分だと内部で雑菌が繁殖するため、最後の乾燥工程は丁寧に行ってください。
どの汚れにも共通して大切なのは、「こすらない」「水を使いすぎない」「すぐ乾かす」の3点です。こすってしまうと汚れが広がり、マットレス内部に染み込んでしまうため注意しましょう。
家庭で落とせない汚れは業者クリーニングも検討を
自宅での染み抜きは多くの汚れに対応できますが、範囲が広い・奥まで染み込んでいる・カビや異臭があるといった場合は、家庭用のケアでは限界があります。そんなときは、専門業者のマットレスクリーニングを検討するのが安心です。
プロのクリーニングでは、専用の洗浄機器と強力な洗剤・吸引装置を使って、マットレス内部の奥深くにまで入り込んだ汚れや雑菌まで徹底的に除去してくれます。特に、次のような状態のときは早めの依頼がおすすめです。
- 染みが広範囲で、家庭用洗剤では落としきれない
- 奥まで染み込んで内部が湿っている、乾かない
- カビが発生して黒ずみやカビ臭がある
- ペットの粗相や大量の血液など、衛生面が気になる汚れ
クリーニングの料金は1枚あたり10,000〜20,000円程度が目安ですが、汚れの種類やサイズによって変わります。出張サービスなら、自宅で分解・洗浄・乾燥まで行ってくれるため、大きなマットレスでも移動の手間がありません。
また、プロに依頼したあとも、防水シーツやマットレスプロテクターの使用、定期的な掃除機がけなどの予防策を取り入れることで、再び汚れがつくのを防ぎやすくなります。
料金の目安や依頼時の注意点については、関連記事「マットレスクリーニングの費用相場と注意点」も参考になります。
染み抜き後にやっておくべきお手入れと再発防止策
染み抜きが終わったら、「きれいになったから終わり」ではありません。汚れを再び発生させないためには、アフターケアと予防策がとても重要です。せっかくきれいにしても、乾燥やメンテナンスが不十分だと、カビや黄ばみ、臭いの再発につながってしまいます。ここでは、染み抜き後に必ずやっておきたいポイントをまとめます。
【重要】徹底的な乾燥で内部までしっかり乾かす
染み抜きのあと最も大切なのが「乾燥」です。表面が乾いていても、内部に水分が残っていると雑菌が繁殖しやすく、再びシミや臭いが発生します。
乾燥のコツ
- 扇風機やサーキュレーターを使って風を当てる
- 掃除機の送風機能やドライヤー(冷風)を使って内部まで乾かす
- 天気の良い日は窓際などで陰干しする(直射日光は劣化の原因になるため避ける)
防水シーツ・マットレスプロテクターを活用する
再発防止のためには、予防策を日常的に取り入れることが効果的です。とくにおすすめなのが、防水性のあるシーツやマットレスプロテクターです。汗・よだれ・飲み物などの水分がマットレス本体に染み込むのを防ぎ、シミの原因を根本からブロックできます。
小さな子どもやペットと一緒に寝ている家庭では、特に導入効果が高いです。
定期的な掃除機がけと通気で清潔をキープ
マットレスは皮脂・ホコリ・ダニなどが蓄積しやすいため、定期的なメンテナンスも欠かせません。月に1〜2回は表面に掃除機をかけてホコリやダニの死骸を除去し、湿気がこもらないよう壁に立てかけて風を通すのが理想です。
湿気がたまりにくい環境をつくることで、シミの原因菌やカビの繁殖を防ぐ効果も高まります。
日々のお手入れと防水対策を取り入れることで、「もう染み抜きに苦労しない」状態を維持できます。普段からのひと手間が、マットレスの清潔さと寿命を大きく左右するポイントです。
やってはいけない染み抜き|失敗しがちなNG行動
マットレスの染み抜きは、正しい手順を踏めば自宅でもきれいにできますが、やり方を間違えると汚れが悪化したり、生地を傷めてしまう原因になります。特に次のようなNG行動は要注意です。
熱湯で洗う
血液やよだれなどのたんぱく質汚れに熱湯を使うと、タンパク質が凝固して繊維に固着し、余計に落としにくくなります。必ず冷水かぬるま湯で対応しましょう。
ゴシゴシこすってしまう
シミを落とそうとして力任せにこすると、汚れが広がったり、奥へ押し込んでしまう恐れがあります。基本は「たたいて吸い取る」動きで、汚れを少しずつ引き出すことが大切です。
水を使いすぎる
マットレス内部まで水分が入り込むと、乾燥しにくくカビや雑菌の温床になります。使う水の量はできるだけ最小限にとどめ、染み抜き後はしっかりと乾燥させることを忘れずに。
強すぎる洗剤・漂白剤を使う
アルカリ性や酸性の洗剤、塩素系漂白剤などは、生地の変色や劣化を招くリスクがあります。使用するなら中性洗剤や酸素系漂白剤など、マットレスに優しいものを選びましょう。
乾燥をあいまいに終わらせる
表面が乾いても内部が湿っていると、カビ・臭いの再発リスクが高まります。ドライヤーの冷風や扇風機、掃除機の送風などを使い、内部まで完全に乾かすことが重要です。
よくある質問(Q&A)
- 古い黄ばみは落とせますか?
- 時間が経った黄ばみは簡単には落としにくいですが、重曹やクエン酸、ウタマロクリーナーを使って繰り返し「たたき洗い」することで薄くなるケースが多いです。完全に落としきれない場合は、生地を傷めない範囲で酸素系漂白剤を併用すると効果的です。それでも残る場合は、内部まで汚れが浸透している可能性があるため、業者クリーニングを検討しましょう。
- 染み抜きスプレーはマットレスにも使えますか?
- 基本的には使用できますが、中性タイプを選ぶことが大切です。強力なアルカリ性や酸性のスプレーは生地を傷めたり、変色の原因になる可能性があります。必ず目立たない場所で試してから使い、本格的な使用後は水拭きして洗剤が残らないようにしましょう。
- 家庭で落とせないシミはどうすればいいですか?
- しつこい血液汚れや広範囲に広がったカビ汚れなどは、自宅での対応では落としきれないケースが多いです。その場合は、専用機材と洗剤で内部まで洗浄できる業者クリーニングが最適です。料金は1万円前後からが目安で、出張対応してくれる業者も多く、マットレスを動かす必要もありません。
- 染み抜き後に気をつけることは?
- 最も重要なのは「しっかり乾燥させること」です。内部が湿ったままだと雑菌やカビが繁殖し、再びシミや臭いが発生する原因になります。乾いた布で水分を吸い取った後、扇風機やドライヤー(冷風)を使って時間をかけて乾燥させましょう。
まとめ|染み抜きは「汚れ別対処+防止策」がカギ
マットレスの染み抜きは、原因に合った正しい方法を知っていれば自宅でも十分対応可能です。汗や皮脂による黄ばみ、血液やよだれといったたんぱく質汚れ、水性のシミなど、それぞれに効果的な落とし方を使い分けることが、きれいに仕上げるためのポイントです。
また、染み抜き後のしっかりとした乾燥や、防水シーツ・マットレスプロテクターの活用、定期的な掃除機がけや通気といった日常のメンテナンスが、再発防止と清潔な睡眠環境の維持につながります。
それでも落とせない頑固な汚れや内部まで浸透したシミは、無理に自宅で対処せず、専門業者に依頼するのが安心です。家庭でのケアとプロの力を上手に使い分けて、清潔で快適なマットレスを長く使い続けましょう。
今 真一