プロテインは運動後に栄養補給として飲むイメージですが、実は寝る前の摂取もおすすめされています。寝る前に飲むことで、睡眠の質に影響することが分かってきたためです。
今回は、寝る前にプロテインを飲むメリット・デメリットと、摂取する際の注意点について詳しく紹介していきます。
寝る前のプロテインが睡眠の質に影響する?
プロテインから摂取できる栄養素「トリプトファン」が睡眠の質に影響します。
トリプトファンは必須アミノ酸の1つで牛乳や肉類、魚類などのタンパク質に多く含まれる栄養素です。
体内に入ったトリプトファンはセロトニンに変換されて、メラトニンが生成されます。
このメラトニンの持つ催眠効果で、睡眠の質向上が期待できます。
睡眠時間の確保が難しい人は、寝る前にプロテインを飲む習慣を取り入れてみましょう。
毎日忙しく睡眠時間や食生活が乱れがちな人には、心強い味方になるかもしれません。
寝る前にプロテインを飲むメリット
①深い睡眠が取りやすくなる
寝る前にプロテインを摂取すると、深い睡眠(ノンレム睡眠)が取りやすくなります。
前述したようにトリプトファンから生成されたメラトニンの催眠効果によるものです。
催眠効果によって睡眠が深くなると、私たちの体には以下のような良い影響が期待できます。
- 脳を休めることができる
- 嫌な記憶を消去する
- 体の成長や修復、疲労回復を助ける
睡眠が深くなると、次の日まで眠気やダルさが残りません。
朝スッキリと目覚められるのもメリットの1つです。
②体への負担が少ない
水分として摂取できるプロテインは、体への負担が少ない点もメリットです。
タンパク質を食事から摂取しようとすると肉類や魚類からが一般的で、調理が必要です。
手間と時間がかかりますし、寝る前の食事は内臓にも負担となるだけです。
プロテインであれば、調理の手間や時間がかかりません。
個包装のドリンクタイプはもちろん、粉末タイプも水や牛乳に溶かして飲むだけ。
水分として体に入るため、胃や腸にかかる負担も軽減できます。
寝る前にプロテインを飲むデメリット
①カロリーを摂りすぎる
プロテインを摂取することで1日の摂取カロリーを超える可能性があります。
これは寝る前に摂る場合だけに限りません。
「プロテインは太る」と聞いたことがある人も多いかもしれませんが、基本的にはウソです。
ただ、1日のトータル摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、プロテインでも太ります。
寝る前にプロテインを飲む場合は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスに気を付けましょう。
睡眠の質向上に効果的とは言え、体のことを考えればカロリーコントロールも大切です。
②腸内環境を悪くする
プロテインの摂りすぎは腸内環境を悪化させる可能性があります。
原因は悪玉菌を増えすぎること。
悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなると便秘や肌荒れだけでなく、老化を促進する恐れもあります。
1日のプロテイン摂取量目安は以下の通りです。
- 男性 90~130g
- 女性 70~100g
睡眠の質を上げるはずが健康を損ねてしまっては台無しです。
プロテインの摂りすぎは、体の調子を崩しかねないと覚えておきましょう。
寝る前にプロテインを飲むときの注意点
寝る前に飲むプロテインは、運動直後に飲むプロテインとは違う基準で選びましょう。
とくに注意したい点について2つ紹介します。
寝る直前の摂取はNG
寝る直前のprotein摂取はNGです。
糖質が低いプロテインを選ぶ
睡眠中は運動中のように体を動かすわけではないので、睡眠前に摂取したプロテインの栄養が吸収されやすいです。
選ぶときは糖質を含む以下の3つの栄養分に注意しましょう。
- 糖質が低い
- 脂質が低い
- タンパク質は多め
私たちが普段食べている米やパン、麺類は糖質量が多い食べ物です。
糖質量が多い食べ物はカロリーも高い傾向にあるため、糖質もカロリーも摂りすぎる可能性があります。
寝る前に飲むプロテインは、砂糖入りや味が付いたものを避けると安心です。
寝る直前の摂取はNG
プロテインを寝る前に飲むのはおすすめですが、寝る直前はNGです。
遅くても寝る30分~1時間前を目安に飲み終えるようにしましょう。
消化途中の物が胃に残っていると、私たちの体は睡眠より消化を優先します。
プロテインは栄養素をしっかり含んでいるため、胃腸が休まらずに負担となります。
睡眠の質を上げるために飲んだプロテインが負担になっては本末転倒。
胃腸が弱い人には、胃痛や胃もたれなど不調の原因になる可能性もあるので注意してくださいね。
寝る前に飲むと睡眠の質向上に効果的なプロテインとは
プロテインにはホエイプロテインやソイプロテインなど、いくつかの種類があります。
ここでは、寝る前に飲むと効果を感じやすいカゼインプロテインについて詳しく紹介します。
寝る前はカゼインプロテインがおすすめ
不溶性で固まりやすいカゼインプロテインが、睡眠前の摂取に向いています。
カゼインプロテインを寝る30分~1時間前に摂取しましょう。
体にゆっくり吸収されるため、睡眠中に消費するエネルギー補給におすすめです。
ホエイプロテインも主成分は同じ乳成分ですが、吸収速度が早いのが特徴。
どちらかといえば、運動直後などタンパク質が不足しているタイミングで摂取したいプロテインです。
カゼインプロテインは、カルシウムなどほかの物質の吸収を助ける働きもしてくれます。
寝る前のプロテイン習慣は、成長期の子どもに取り入れてあげるのもいいかもしれません。
まとめ
プロテインは体への負担は最小限にしっかり栄養を摂取できるので、寝る前に飲むのもおすすめです。
水に溶かすだけですぐ飲めるという点も、忙しい私たちにとっては魅力の1つですよね。
ただ、プロテインの飲みすぎには注意が必要。
まずは毎日の食事を見直して、食事から摂る栄養に気を付けてみましょう。
過度のプロテイン摂取は不調の原因にもなるので、用量は守って摂取するようにしてくださいね。