夜中に目が覚める、朝まで眠れないといった症状を中途覚醒と言います。
体が疲れていても中途覚醒する場合があり、ぐっすり眠れた充実感も感じにくくなります。
そこで今回は、夜中に目が覚める理由と対処法について紹介します。中途覚醒に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
夜中に目が覚める理由は?中途覚醒してしまう原因6つ
「夜中に目が覚める」「中途覚醒を何とかしたい」なら、まずその原因を知ることが大切です。今回は6つの原因を紹介します。
ストレス
中途覚醒してしまう理由のひとつに「ストレス」があります。
そもそもストレスとは仕事や生活環境、人間関係から受けた刺激によって生じる緊張状態のことです。
私たちの体はストレスを感じると交感神経が優位に働き、一種の興奮状態になります。
興奮状態が長く続けば自律神経は乱れ、睡眠の質も低下するでしょう。ぐっすり眠れていないので、ちょっとした物音にも反応して目が覚めるようになります。
寝具が合っていない
夜中に目が覚める理由として「寝具が合っていない」可能性も考えられます。
例えばマットレスの硬さです。マットレスが硬すぎて腰が痛い、反対に柔らかすぎて腰が沈むといった場合、寝ていても不具合を感じているため目が覚めやすくなります。
また、枕の高さも同様です。高すぎる枕を使っていると、首や肩回りの筋肉を緊張させて痛みを感じるようになります。寝姿勢が乱れることから気道も狭くなり、悪化すれば睡眠時無呼吸症候群といった問題にもつながるため注意が必要です。
うつ病
「うつ病」などの精神疾患も、夜中に目が覚める大きな理由のひとつです。
うつ病から不眠症のような症状が出たり、反対に不眠症からうつ病を発症するケースも考えられます。
私たちは強いストレスを感じると自律神経のバランスが崩れて、寝つきにくくなったり、眠りが浅くなります。
中途覚醒に悩む人すべてがうつ病を発症しているわけではありませんが、そのリスクが高いことは覚えておきましょう。とくにうつ病を患った経験がある人は再発する可能性もあるため、定期的な睡眠習慣の見直しも必要です。
アルコール
夜中に目が覚める理由に「アルコール」の飲みすぎもあります。眠気を誘うためにアルコールを飲んでいるとしたら、それは逆効果です。たしかにアルコールを飲むと、一時的に眠気は感じやすくなります。寝つきにくさを改善するために、夜のアルコールを習慣にしている人もいるでしょう。
しかし、ひとたびアルコールの作用がなくなれば、反対に脳は活発になります。
眠りも浅くなり、中途覚醒しやすい状態です。たまに適量のアルコールを飲むくらいならOKですが、眠れないからといって毎日晩酌するのはやめましょう。
加齢
年齢を重ねるにつれて寝つきが悪くなった、夜中に目が覚めるようになった人は、「加齢」が理由かもしれません。
個人差こそありますが、私たち人間は年齢とともに眠りが浅くなります。
眠りが深い時間は減少して目覚めやすい状態が続くため、ちょっとした物音や尿意に反応してしまうのです。
加齢による中途覚醒は自然な現象です。白髪が増えたり、シワが増えることと同じことなので、あまり深く悩まないようにしましょう。
睡眠時無呼吸症候群
中途覚醒する理由に「睡眠時無呼吸症候群」もあります。睡眠時無呼吸症候群とは「いびき」をかきながら、寝ている間に何度も呼吸が止まる病気です。10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」、呼吸が弱くなる「低呼吸」が繰り返されて、眠りが浅くなります。自分のいびきで目が覚めてしまう人もいるなど、かなり中途覚醒しやすい状態です。
睡眠時無呼吸症候群の原因は「体重の増加」「気道への舌の落ち込み」「骨格」などが考えられます。自力で改善を目指すなら、まず生活習慣の改善を心がけましょう。アルコールの摂取や喫煙も、睡眠時無呼吸症候群を発症する原因になります。それでも改善がみられない場合は、内科や呼吸器内科に相談してください。
中途覚醒してしまうときの対処法5つ
中途覚醒を改善するためには、毎日のちょっとした心がけや生活スタイルの見直しが大切です。簡単な対処法ばかりなので、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてくださいね。
スマホやPCはなるべく見ない
中途覚醒してしまうときは、まず寝る前のスマホやパソコンをやめてみると良いです。
明るい画面から出ているブルーライトの刺激により、脳が覚醒してしまいます。
私たちを眠りに導いてくれる脳内物質「メラトニン」が分泌されず、寝つきも悪くなるでしょう。
なるべくベッドに入る1時間までに、スマホやパソコンを使う作業は終わらせてください。
ストレッチをしたり、瞑想をしたりリラックスして過ごします。どうしても必要なときは画面の明るさを調整したり、ナイトモードに設定して使いましょう。
ぬるめのお湯につかる
入浴でしっかり体を温めると睡眠が深くなり、夜中に目が覚めにくくなります。お湯の温度は38~40℃の「ぬるめ」で、寝る1~2時間前までに20~30分くらい体をゆっくり温めましょう。
私たちの体は一度上がった体温が下がるときに、眠気を感じます。入浴して体温をしっかり上げてから体温が下がると、深い眠りにも入りやすいはずです。リラックス効果も期待できるので、とくに強いストレスを感じたときに取り入れてみましょう。
ただ、寝る時間ギリギリの入浴にはならないように注意してください。入浴により深部体温が上がった状態では、なかなか眠りにつくことができません。寝る時間から逆算して、2時間ほど前に入浴するのがベストです。
夜はリラックスして過ごす
中途覚醒しないために、夜はリラックスして過ごしましょう。とくに寝る前3時間の過ごしかたが大切です。
なるべく寝る直前の食事は控えて、運動は早めに終わらせてください。
寝る時間ギリギリに食事をすると、体は寝ている間に消化活動をすることになります。
消化活動をするためには脳からの指令が必要で、脳も体も休まりません。眠りが浅くなりやすいため、夜中に目が覚めやすくなります。
夜の時間帯に運動をするなら、ヨガやストレッチにしましょう。
ランニングやウェイトリフティングといった激しい運動は控えて、リラックス効果の高い運動にします。運動で体温が適度に上がると、そのあと低下するときに眠気も感じやすくなるでしょう。
生活リズムを整える
毎日の起床時間や就寝時間は、なるべく同じにしましょう。私たちが眠気を感じやすくなるの時間帯は、起床してから14~16時間後と言われています。
朝6時に起きたら夜21時頃、朝8時に起きたら夜23時頃が目安の時間です。
そのリズムを崩さず体に覚えさせるようにすると、自然な眠気を感じて深い眠りに入りやすくなります。
生活リズムの改善にもつながり、中途覚醒への対処法としても有効です。
昼寝はなるべく控える
中途覚醒を改善するなら、昼寝もなるべく控えましょう。適度な昼寝はおすすめですが、ダラダラ寝すぎるのはNGです。昼寝をしすぎると、夜の眠気を感じにくくなります。
昼寝を効果的なものにするなら、20~30分以内にしてください。
疲れた脳を一時的に休ませることで頭がスッキリして、午後の活動も楽になります。寝すぎないためにも、必ずアラームをセットしてから昼寝しましょう。
まとめ
中途覚醒する理由は強いストレスが影響していたり、寝具が体に合っていなかったりと、人それぞれです。あなたが中途覚醒する原因を正しく見極めて、効果的な対処法を取り入れましょう。生活リズムを整えて、入浴したり、リラックスして過ごすようにするだけでも効果があります。ただ、睡眠時無呼吸症候群の症状を感じている場合は注意が必要です。生活習慣を見直しても改善されない場合は、早めに病院へ相談しましょう。