新品のウレタンマットレス特有の匂いや化学的な臭いは、時間が経てば自然に薄まる場合が多いですが、敏感な方や小さなお子さんがいるご家庭では「健康への影響」が気になるところです。
特に人気のトゥルースリーパーは、高いフィット感と寝心地が魅力。しかし、購入直後に匂いを感じるという声も少なくありません。
この記事では、ウレタンマットレス全般の匂いの原因と安全性、さらにトゥルースリーパーを含む匂い対策やホルムアルデヒドの基準について、専門家としてわかりやすく解説します。
この記事の監修者
身長175㎝/体重62㎏。眠ハックの運営者。睡眠で悩む人の相談を受けたり講習会を通して睡眠の大切さを世に広める活動をしている。マットレスや枕選びはYouTubeで好評受付中。
>>プロフィール
8月セール中のマットレス!
今お得に手に入れるなら
\【半額以下】WOWセール開催中!/
>>WOWセール詳細はこちら
期間:8月8日10:00~8月13日17:00まで
トゥルースリーパープレミアム本体+枕+掛け布団
通常単品合計価格 36,190円(税込)
→半額以下16,500円(税込)
この機会にプレミアムな寝心地体験を!
新品ウレタンマットレスの匂いの原因
新品のウレタンマットレスから漂う独特の匂いは、大きく分けて以下の3つの要因があります。
においの主な原因
- 揮発性有機化合物(VOC)による「オフガス」
- 繊維や接着剤に含まれるホルムアルデヒド
- ウレタン素材に残るアミン類
揮発性有機化合物(VOC)とオフガス
ウレタンフォームは製造過程で化学物質を使用します。その一部が空気中に揮発して発生する現象を「オフガス」と呼び、特に新品時や開封直後に強く感じられます。時間とともに軽減しますが、敏感な方は目や喉への刺激を感じることもあります。
ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の一つで、鼻炎やくしゃみ、目のかゆみ、ぜんそくなどを引き起こす場合があります。マットレスでは繊維の防縮や防しわ加工のために使われることがあります。
アミン類
ウレタンの製造時には触媒として「第3級アミン」が使われます。日本ウレタン工業協会によると、このアミンは製造時の熱で大半が揮発しますが、一部が残り、新品開封時に匂いとして感じられます。ただしその濃度は非常に低く、人体への影響はほとんどないとされています。
軟質ポリウレタンフォームの臭いの主成分は触媒として使用されている第3級アミン類です。濃度は非常に低く、人体への影響はほとんどないと言えます。
引用:日本ウレタン工業協会
他の要因:新品梱包によるこもり臭
マットレスは工場から密封状態で出荷されるため、内部に空気や匂いがこもります。開封直後に一気に放出されることで「強く匂う」と感じることがあります。
また、同じウレタンマットレスでも、原料や製造方法によって匂いの強さは異なります。例えばトゥルースリーパーは比較的匂いが強めと感じる声が多く、一方でエアウィーヴのようなファイバー素材は匂いが弱めとされます。これは使われる原料や規制基準の違いによるものです。
匂いは安全?ホルムアルデヒドの基準と健康影響
新品のウレタンマットレスから感じる匂いの多くは時間とともに薄れますが、特に「ホルムアルデヒド」については健康への影響を心配する声もあります。ここでは、国際的な基準や日本と海外の規制の違い、安全性を判断するための認証制度について解説します。
厚生労働省・WHOの基準値
厚生労働省が定める室内空気中のホルムアルデヒド濃度の指針値は0.08ppm(0.1mg/m³)です。世界保健機関(WHO)も同様に0.08ppm以下を推奨しており、この基準値を超えると目や鼻、喉への刺激を感じやすくなります。
日本製マットレスと海外製の規制の違い
日本国内で販売される寝具は、JIS規格や家庭用品規制法に基づき、ホルムアルデヒドの放散量が厳しく制限されています。一方、海外製品では国や地域によって規制の有無や基準値が異なり、中には日本より緩い基準の製品もあります。そのため、輸入品を選ぶ際は安全認証やメーカーの成分表示を確認することが重要です。
CertiPUR-USやエコテックス認証の解説
安全性を客観的に判断する材料として、第三者認証の取得状況があります。
・CertiPUR-US
→ウレタンフォームに有害な化学物質が含まれていないこと、低VOCであることを保証する米国の認証。
・エコテックス® スタンダード100
→繊維製品に有害物質が含まれていないことを保証する国際認証。特に「クラスⅠ」は乳幼児が口にしても安全とされる最も厳しい基準です。
ホルムアルデヒドの体への影響
高濃度のホルムアルデヒドに長期間さらされると、目や鼻、喉への刺激、頭痛、皮膚炎などの症状を引き起こす可能性があります。敏感な方やアレルギー体質の方は低濃度でも反応する場合があるため、開封直後はしっかり換気し、匂いが落ち着いてから使用することが推奨されます。
ウレタンの嫌な匂いを消す方法【即効性順】
新品ウレタンマットレスの匂いは、適切な方法を使えば短期間で軽減できます。ここでは、即効性の高い順に7つの方法をご紹介します。
屋外や窓際で換気(扇風機併用)

陰干しが簡単かつ有効
最も手軽で効果的なのは「空気の入れ替え」です。ベランダや庭など風通しの良い屋外、または窓際でマットレスを立てかけて陰干ししましょう。直射日光を避けることで素材の劣化を防ぎつつ、自然な風と時間の経過で匂い成分を効率的に放散できます。
さらに扇風機やサーキュレーターを併用すると空気の流れが強まり、オフガスを短時間で抜くことが可能です。特に湿度の低い日や晴れの日は効果が高まります。
掃除機を使う
ウレタンマットレスの表面を掃除機で丁寧に吸い取ることで、匂いの原因となる微量のアミンやホコリを除去できます。陰干しができない雨天時や室内作業時に有効で、布団用ノズルを使い縫い目や側面までまんべんなくかけるのがポイントです。より効果を高めたい場合は、換気や送風と併用するとさらに早く匂いが抜けます。
日光と風でオフガスを飛ばす

基本的にウレタンフォームは熱に弱い
晴れた日に日光と風に当てることで、匂いの元となる化学物質が揮発しやすくなります。ただし直射日光が長時間当たるとカバーや素材が劣化する可能性があるため、2〜3時間を目安に行いましょう。
ベーキングソーダで表面消臭
マットレス表面にベーキングソーダ(重曹)を薄く振りかけ、数時間放置後に掃除機で吸い取ります。重曹の吸着作用により、匂い成分が軽減されます。
活性炭など消臭剤を近くに置く
活性炭などの消臭剤、空気中の匂い成分を吸着する効果があります。マットレス近くに置くことで、時間とともに臭気が薄まります。
空気清浄機(活性炭フィルター)活用
HEPAフィルターだけでなく、活性炭フィルターを搭載した空気清浄機を使用すると、VOCや匂い成分の除去効果が高まります。
湿度を下げる(除湿機)
湿度が高いと匂い成分が空気中に滞留しやすくなります。除湿機やエアコンのドライ機能で湿度を下げることで、匂いの拡散を促進します。
[/st-mybox]
注意ポイント
- 香りの強い消臭スプレーを直接吹きかける(匂いが混ざり不快になることがある)
- 直射日光に長時間放置(カバーや素材の劣化につながる)
- ドライヤーやヒーターで過度に加熱(素材変形の恐れ)
使用中のウレタンマットレスに生活臭がついたときの対処法
匂いのタイプによって「重曹」か「クエン酸」の2種類を使い分けます。
簡単にいうと、油脂系の匂いや汚れには重曹、おしっこ・おもらしのアンモニア臭にはクエン酸です。
重曹 | クエン酸 |
|
|
重曹を巻いて2時間以上置く
寝汗や皮脂程度の匂いであれば、まず重曹を粉のままマットレス全体にまいて、2時間以上放置します。
そのあとに掃除機で重曹をすべて吸い上げるだけで、消臭効果が望めます。こんな簡単なのに効果が抜群なのは、重曹は匂いや汚れを吸着する特性があるからです。
また、アルカリ性である重曹が、寝汗などの酸性の匂いを中和するからともいわれます。

重曹水とクエン酸水
重曹を巻くだけで匂いは取れるのですが、汚れも一緒に摂りたい場合は「重曹水」または「クエン酸水」をつくって使いましょう。
メモ
- 重曹水=300mlの水+重曹大さじ1
- クエン酸水=200mlの水+クエン酸小さじ1
水で薄めた場合でも、汗や皮脂系の汚れと匂いには「重曹水」、おしっこなどの匂いや汚れには「クエン酸水」と使い分けましょう。タオルなどにしみ込ませて、汚れているところをふき取って使います。
ふき取ったあとはすぐにドライヤーで完全に乾かしてください。水分を残してしまうとカビを発生させ、2次被害が起きてしまいます。また、ドライヤーを当てるときも30㎝ほど離して、当てている部分が熱くなりすぎないようにしてください。

ウレタンマットレスの匂いや汚れ取りで絶対やってはいけないこと
ウレタンフォームは水と高温に非常に弱い素材です。間違ったお手入れは劣化や変形、カビ発生の原因になるため注意が必要です。
注意ポイント
- スプレーで直接水を吹きかける
- シャワーなどで丸洗いする
- 天日干しで長時間直射日光に当てる
- スチームクリーナーや高温ドライヤーを使う
お手入れの際は、タオルに重曹水やクエン酸水を含ませて部分的に拭き取り、すぐにドライヤーで乾かすのが基本です(30cm以上離して低温で当てましょう)。
匂いがカビ臭い場合は新品の匂いではなくカビが原因の可能性あり
新品特有のオフガスなどではなく、「カビ」が原因の嫌なにおいの場合もあります。カビは健康リスク(アレルギーや呼吸器系への刺激)も伴うため、放置は避けるべきです。
以下の自宅でできるカビ対処法(軽度〜中度向け)は、軽度なカビやにおいには効果的です。
- 重曹+エタノール(またはオキシドール)で拭き取り
重曹で匂いを吸着し、エタノールで殺菌 - 消毒用エタノールをスプレー
カビに1時間ほど浸透させた後、風通しよく乾燥 - 市販のカビ取りスプレーや酸素系漂白剤
カビのついた生地部分に使用可能。ただし塩素系は素材の劣化に注意
ご自身での対処が難しい場合や、再発が心配な方は、以下の記事でカビ対策や専門業者への依頼のポイントを詳しく解説しています。
▶︎ ウレタンマットレスのカビ対策はこちら
FAQ
Q. 匂いは放っておいても消えますか?
A. はい、多くの場合は時間の経過とともに自然に薄まります。国産のウレタンマットレスであれば、数日〜1週間ほどでほとんど気にならなくなることが多いです。ただし、輸入品や梱包期間が長い製品は1〜4週間かかる場合もあります。
Q. 妊婦や子どもに使っても安全?
A. 基準値以下であれば健康被害の可能性は低いですが、敏感な方や免疫力が弱い方は匂いに反応することがあります。妊婦さんや小さなお子さんが使用する場合は、開封後しっかり換気し、数日間陰干ししてからの使用をおすすめします。
Q. 匂いが強すぎる場合の返品・交換は?
A. ブランドや販売店の返品ポリシーによります。お試し期間や返金保証があるマットレスもあるため、購入前に条件を確認しておきましょう。特に通販購入では、匂いが合わない場合の対応可否を事前に確認することが重要です。
まとめ
- ウレタンマットレスの匂いの原因は、ほとんどがVOCや梱包によるこもり臭
- 換気・日光・吸着剤を使えば、大半は短期間で軽減できる
- 安全性が気になる場合は、低VOC認証や天然素材を採用したマットレスを選ぶと安心
匂いに不安を感じる場合は、購入前に素材や認証を確認し、購入後は換気や陰干しを徹底することが大切です。これらを実践すれば、新しいマットレスをより快適に、安心して使い始められます。
今 真一