東大生の睡眠時間を考えたことはありますか?
勉強に励んで睡眠時間が少ないと思いがちですが、東大生は睡眠時間をしっかりとっているというデータがあります。
東大合格には睡眠時間の確保は重要なんですね。
それは、東大生に限りません。
学力は睡眠と、どんな関係があるのでしょう。
この記事では、「子供の夜更かしは良い影響をあたえない」ことを改めて知ってもらう機会を提供したいと考えます。
一緒に「子供の睡眠」について考えてみましょう。
子供も睡眠不足になる
義務教育なり、学校に通っている子どもたちはみんな朝早くから授業を受けます。
そのため、夜は早く寝なければ睡眠時間が足りなくて、寝不足のまま授業を受けることになりますよね。
夜更かししたから、次の日は遅く起きるなんてことはできません。
寝不足だからって学校を休むわけにもいきません。
負のスパイラルに陥ります。
では、子供が睡眠不足になると、どんな影響がでてくるのでしょうか。
子供の睡眠不足による悪影響
こどもは大人と同じように睡眠不足になるとからだや精神に影響がでます。
こどもは大人ほど心の状態が安定していません。
じぶんで睡眠をコントロールなんてできずにどんどん良くない方向に進んでしまうことも考えられます。
まずは、どんな影響があるか知っておきましょう。
■非行に走りやすくなる
■勉強がきらい(きらい)になる
■風邪をひきやすくなる
■自己肯定感が低くなる
非行に走りやすくなる
感情をつかさどる脳は良質な睡眠をとることで休ませることができます。
睡眠中の脳は「不安なことを整理し、削除したりして必要なものだけを記憶として固定する作業」が行われています。
その不安が残った状態がつづくと、イライラしやすくなってしまい、
勉強がきらい(苦手)になる
脳の整理がつかないまま翌日を迎えることは、やる気低下、だるさの原因になります。
その結果、集中力がさがり、勉強を理解すること、考えることが嫌になる傾向が強くなります。
風邪をひきやすくなる
睡眠不足で体の疲れが取れないことが続くと、慢性的な疲労になり、免疫力低下につながります。
免疫力低下で風邪程度だいじょうぶとおもわれるかもしれません。
しかし、いまではインフルエンザやコロナウイルスがあり、ただの風邪で終わらない可能性も高くなってます。
それに睡眠不足がくせになったまま大人になることも大変です。
つまり、将来的な肥満や生活習慣病のリスク増にもつながるんです。
自己肯定感が低くなる
睡眠不足になると、ストレスがたまりやすくなり、気分の落ち込みもしやすくなります。
気持ちが下向きに、うつ傾向になってしまいます。
そんな精神状態は「自分への自信」を失っていき、行動や勉強などにも悪影響が出てきてしまうんです。
イライラと自己肯定感の調査まとめ表
文部科学省がおこなった「睡眠と自己肯定感」の調査があります。
睡眠と自己肯定感の調査
対象:全国約800校の生徒約23,000人
就寝時間 | 自分のことが好きだ | 何でもないことに イライラすることがよくある |
午後9時前 | 23.2% | 8.9% |
午後9~10時前 | 18.6% | 6.6% |
午後10~11時前 | 15.2% | 8.0% |
午後11~午前0時前 | 9.8% | 13.5% |
午前0~1時前 | 10.2% | 20.2% |
就寝時間 | 自分のことが好きだ | 何でもないことに イライラすることがよくある |
午後9時前 | 17.8% | ー |
午後9~10時前 | 13.2% | 9.3% |
午後10~11時前 | 10.0% | 8.4% |
午後11~午前0時前 | 8.6% | 10.1% |
午前0~1時前 | 7.9% | 16.3% |
表にしてみてみると一目瞭然です。
自己肯定感を示す「自分のことが好きだ」の割合は、睡眠時間が遅いほど減っていますし、非行と関係する「何でもないことにイライラする」については睡眠時間が遅いほど増えているのが顕著に表れています。
東大生は睡眠を削らない
東大を目指すわけじゃないにしろ、人生に勉強はつきもの。
受験も仕事も、勉強なくしては良いパフォーマンスは生まれません。
「東大生の睡眠時間」をベースに睡眠と勉強の関係についてご説明します。
東大生の平均睡眠時間
現役東大生の受験生時の睡眠時間のデータがあります。
現役東大生の受験生時の睡眠時間 | |
5時間以下 | 5% |
5~6時間以下 | 26% |
6~7時間以下 | 51% |
7~8時間以下 | 13% |
8時間以上 | 5% |
睡眠時間はしっかりとって、集中するときに集中するスタイルの東大合格者が7割ほどの割合でいるということがわかります。
東大を合格(勉強を)するためには睡眠時間確保は必須ということがうかがえますね。
睡眠時間を削ってもダラダラするだけ
東大生に限らず、難関校に通っている人のこんな声をよく聞きます。
「睡眠時間を削っても、次の日ぐだぐだ、ダラダラするだけで何の意味もない」
「朝寝坊したり、無駄な休憩をしたり全然意味がない」
まったくそのとおりで、睡眠は集中力に大きく関わります。
集中力がない状態で勉強しても記憶に残るものなんてたかが知れてるんです。
よく、徹夜で勉強して次の日のテストを迎えるなんてことがありますが、一夜漬けの記憶はその次の日には消え去ることがほとんど。
実際に自分もそうだったので良くわかります。
一夜漬けの記憶はすぐ消える?
一夜漬けの記憶は、記憶される脳の部位が違うからなんです。
「ワーキングメモリー」と呼ばれる短期記憶用の前頭葉大脳皮質があり、そこに保存されます。
ワーキングメモリーに保存されていることは、脳が「すぐ忘れても困らないこと」「覚えなくても問題ない」と判断したことです。
つまり一夜漬けばかりしても学力は上がりません。
その場しのぎはできます。
寝不足状態では記憶できません。
記憶を定着するためには「眠ることが必須」なんです。
「早寝」ではなく「早起き」で改善
早く寝れないなら早く起きてしまえばいいんです。
実は早く起きることによって、夜早く寝ることに繋がる理由があるんです。
早起きすることのメリット
早起きのメリット
●朝日を浴びれる
●授業中に眠くならなくなる
朝日を浴びれる
ヒトは朝日を浴びてから約15時間後には眠くなる傾向にあります。
これはいわゆる「体内時計」のリセットに関わります。
「夜寝る時間を決めるのは朝日を浴びる時間」ともいえます。
子供の起きる時間の30分前にカーテンを開け朝日を入れてあげましょう。
30分かけることで無理やりではなく、自然な目覚めになりますよ。
無理やり起こすと反発するお子さんも少なくないでしょう。
カーテンは遮光カーテンをやめて、レースのカーテンなど光の入りやすいものにするとより良いです。
授業中に眠くならなくなる
ただ早起きするだけでは、寝不足で授業中も眠くなります。
まずは、次のサイクルを習慣づけましょう。
【早く起きる→夜に早く眠りにつく→睡眠時間がしっかり確保できる】
といった流れで、初めは眠くてきついかもしれませんが、1週間ほど続けば慣れてきます。
「継続は力なり」ではないですけどそういうものです。
授業中の眠気は慢性的な睡眠不足が原因で、睡眠負債がたまった状態といえます。
睡眠不足を「早寝対策」で改善することで、授業中にくる強い眠気は改善していけるといえます。
まとめ
子供は体力があり、疲れがあまり外見に表れません。
でも内側には、睡眠不足が原因でたまっていく疲労もあるのです。
たまった疲労は、いずれ精神的にも身体的にも微量ですがあらわれるでしょう。
それに親が気付いてあげて、そっとフォローしてあげることで親子関係の良好も保つことができます。
睡眠の重要性をまず親が理解することが、子供の成長を妨げない手段のひとつではないでしょうか。
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