近年マットレス市場で主流となっているウレタンマットレスは「ウレタン素材」でつくられたマットレスです。
ウレタン素材の特性上、メリットも多いですがデメリットの部分も持っています。
人気が高くSNSでも流行っているマットレスはウレタンのものが多いですが、「人気だから」と勢いだけでで購入すると後々後悔することもあるでしょう。
この記事では特徴やデメリット・メリットを紹介しますので、マットレス素材選びの参考にしてみてください。
この記事の監修者
身長175㎝/体重62㎏。眠ハックの運営者。睡眠の質向上には寝具が重要と気づいて7年経つ寝具選びのプロ。自宅の一室は検証のためのマットレスだらけ。マットレス以外にも睡眠の大切さを世の中に広げる活動をしている。
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ウレタンマットレスとは|どんな特徴がある?
ウレタンマットレスとは、発砲ポリウレタンの一種である素材を使用したマットレスです。密度が低く柔らかい多孔質なものが、台所などで使われるスポンジですが、それよりもさらに密度を高くしたものがマットレスでは使われます。
ウレタンマットレスの特徴
ウレタンマットレスは非常に高いフィット感のあるものから、しっかりと身体を支える反発力の高いものまでさまざま。
密度や加工法、多孔性などにより機能性が大きく変わり、各メーカーが独自のウレタン素材を開発して使用することで、個性のある寝心地がつくられます。
基本的には「比較的リーズナブル」「体圧分散性が高い」「耐久性が高い」といった特徴を持つマットレスになりやすいです。
ウレタンマットレスは2種類|それぞれのメリットデメリット
ウレタンマットレスには「高反発」と「低反発」の2種類があり、それぞれメリットとデメリットが異なります。
低反発ウレタンマットレス
低反発ウレタンマットレスのメリットやデメリットを紹介します。
メリット
メリット
- フィット感が高く寝心地が良い
- 冬に暖かく感じやすい
- 体圧分散性が高い
- 比較的リーズナブル
低反発マットレスはもちっとした感触が魅力で、フィット感が高く寝心地が良いのが特徴です。密着度が高いことから冬にはぬくぬくします。
比較的体重が低めな人に合いやすい寝心地でしょう。特に体格の小さい女性やお子様が使うと寝心地良く感じやすいです。
デメリット
デメリット
- 夏はムレやすい
- 寝返りしにくい
- 起き上がりにくい
- 耐久性が低くへたりやすい
- カビが生えやすい
- 体重が重ためだと合わない可能性が高い
- 匂いがきついことがある
とてもフィット感が高く寝心地が良い反面、密着度が高いため夏にはムレやすいデメリットがあります。
また、反発力が低く沈み込みが深くなりがちなので、寝返りがしにくかったり、起き上がりにくかったりします。
そのため腰にグッと力を入れなければいけないといった難点があり、腰に負荷がかかりやすく腰痛悪化することがあるでしょう。
ウレタン特有の匂いが強いことがあるのもデメリットです。他に耐久性が低めなため、長く安定的に使いたい人は高反発マットレスをおすすめします。
高反発ウレタンマットレス
高反発ウレタンマットレスのメリットとデメリットを紹介します。
メリット
メリット
- コスパの高いものが多い
- 腰痛対策にも向く
- 耐久性が高く長寿命
- 寝返りしやすい
高反発ウレタンマットレスはその名のとおり反発力が高いため、元に戻ろうとする力が強いです。そのおかげで寝返りがしやすいのがメリット。低反発ウレタンのマットレスより復元力も高いことから、耐久性の高さにも定評があり、比較的寿命は長くなります。
また使用感や寝心地の良さに対し、価格がリーズナブルなマットレスが多く、コスパが高いことも大きなメリットでしょう。
価格帯や重さはウレタン密度によって決まります。というのも、詰まっていれば詰まっているほど素材を多く使っているためです。
デメリット
デメリット
- カビが生えやすい
- 体重が軽いと合わない可能性が高い
- 匂いがきついことがある
低反発ウレタンマットレス同様に、高反発ウレタンマットレスもカビが生えやすいのがデメリット。ただし「オープンセル」と呼ばれるウレタン構造をもっているマットレスは、比較的通気性が高くカビが生えにくいといえます。
また反発欲が高く跳ね返りの力が強いことから、体重が軽い(40~50㎏以下)人には「硬すぎる」と感じることが多いです。
ウレタンと他素材のマットレスとの比較表
ウレタンマットレスと他素材のマットレスを比較表でまとめています。どんなメリットやデメリットがあるのか相対的にみることができ、わかりやすいと思うのでぜひ参考にしてください。
素材種類 | ◎メリット | △デメリット |
---|---|---|
低反発ウレタン |
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高反発ウレタン |
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ポケットコイル |
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ボンネルコイル |
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ファイバー |
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ラテックス |
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ウレタンマットレスの加工法
ウレタンマットレスはデメリットである通気性の低さを改善するため、また体圧分散性をより高めるために、各メーカーが工夫した加工をします。
主な加工法を簡単に紹介していきます。
- 凹凸プロファイルカット
- ピンホール加工
- スリット加工
- 波形カット
これらの加工法は硬めにつくられる高反発ウレタンに施されます。以下の表で簡単にまとめましたので参考にしてみてください。
加工法 | 特徴 |
凹凸プロファイルカット |
点で支える寝心地で、体圧を効率よく分散します。 接着面が少ないため血流の妨げを防ぐ加工法です。 |
ピンホール加工 |
表面に小さな穴を複数あけ、通気性を良くします。 背中がムレにくくなる加工です。 |
スリット加工 |
表面に溝をつくりあたたまった空気を抜けやすくする加工です。 また、カットの数や深さによって硬さを変える役目もあります。 |
波形カット |
波形カットは表面がギザギザになっている加工です。 効率的な体圧分散を促がします。 |
ウレタンマットレスの捨て方は?処分方法まとめ
ウレタンマットレスの捨て方は主に5パターンあります。
- 各自治体の粗大ごみで出す
- 廃品回収業者を使う
- 買い替え時に交換サービスを使う
- 細かく切って燃えるごみで捨てる
- 買い取り業者に依頼・メルカリで売る
各自治体の粗大ごみで出す
各自治体がおこなう粗大ごみ回収で捨てるという方法です。
自治体にもよりますが、料金はだいたい1,000円~2,000円程度でしょう。
不用品(廃品)回収業者を使う
不用品回収業者に引き取ってもらう方法もあります。ただしシングルサイズでも1万円前後の費用がかかるため、あまりおすすめはできません。
買い替え時にベッド引き取りサービスを使う
新しいマットレスを買う際に、ベッド引き取りサービスを利用する方法です。
ベッド引き取りサービスは会社にもよりますが、マットレスのみで8,000円程度、ベッドフレームと一緒なら12,000円程度します。
不用品回収業者くらい、費用はかなりかかるので要検討が必要です。
細かく切って燃えるごみで捨てる
ウレタンマットレスで使われるウレタン素材は燃えるごみで捨てられます。そのため細かく切って各自治体指定のゴミ袋に入れることで、簡単に捨てることが可能です。
費用がおさえられるのでおすすめですが、細かく切ることにやや手間がかかります。
ストレス発散と考えられるならやってみるとスッキリするかもしれません。
メルカリで売る
ウレタンマットレス自体がまだ使えそうならメルカリで売ってみるのもおすすめです。
特に有名ブランドもので元の値段が高ければ、状態にもよりますが数万円で売れることがあり、次のマットレスを購入する資金にもできます。
ただし配送料金で5,000円以上かかるので、最低でも送料以上の金額で売らなければ赤字になるので気をつけましょう。
今 真一