最近のマットレス市場を見ていると、高反発ウレタンやポケットコイル、両方を組み合わせたハイブリッドタイプなど、身体をしっかり支えて寝返りしやすくする方向の商品がかなり増えました。
実際、2026年に全国の20〜60代男女300人を対象に行われた調査では、「次に検討したいマットレス」として高反発ウレタンを選んだ人が28.4%で最多でした。
一方で、低反発マットレスの代表格ともいえるトゥルースリーパーは、日本国内の低反発マットレス市場で13年連続売上金額No.1を達成しています。
高反発への関心が高まっているように見える今、なぜ低反発のトゥルースリーパーは売れ続けているのでしょうか。
約5年間いろいろなマットレスをレビューしてきた立場から考えてみます。
この記事の執筆・監修者
身長175cm・体重62kg。100種類以上のマットレスを体験し、寝心地や体型との相性をレビュー。YouTubeでは500件以上の寝具相談に対応してきました。
高反発への関心は確かに高まっている
まず、最近のマットレス事情を簡単に見てみます。
ムーンムーン株式会社が全国の20〜60代男女300人を対象に実施した調査では、現在使っているマットレスは以下の結果でした。
| 現在使用しているタイプ | 割合 |
|---|---|
| 低反発ウレタン | 29.0% |
| ポケットコイル | 27.7% |
| 高反発ウレタン | 22.3% |
現時点では、低反発ウレタンを使っている人の方が高反発より多い結果です。
ただ、「次にどのタイプを検討したいか」では順位が変わります。
| 次に検討したいタイプ | 割合 |
|---|---|
| 高反発ウレタン | 28.4% |
| 低反発ウレタン | 24.4% |
| ハイブリッド | 17.2% |
高反発ウレタンがトップです。
つまり「高反発の市場シェアが低反発を超えた」というデータではありませんが、次に買うマットレスとして高反発に関心を持つ人が多いことは読み取れます。
出典:ムーンムーン株式会社「あなたのマットレス、何タイプ?約8割が寝心地に満足、それでも約半数が“買い替え”に迷う」(調査期間:2025年12月31日〜2026年1月5日、全国20〜60代男女300名、インターネット調査)
それでもトゥルースリーパーは低反発市場で13年連続No.1
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そんな中、2026年10月にショップジャパンから興味深い発表がありました。
トゥルースリーパーが、国内の低反発マットレス市場で13年連続売上金額No.1を達成したというものです。
対象は2013年度〜2025年度。
ここで注意したいのは、これは「国内マットレス市場全体でNo.1」という意味ではありません。
JIS規格に準じる低反発性マットレス単体の国内市場における小売販売金額ベースの結果です。
それでも13年間トップを維持しているのは、かなり強いメーカーだと思います。
また、トゥルースリーパーシリーズは2003年に販売を開始。2025年3月末までのシリーズ累計出荷数は2,300万個を突破しています。
出典:株式会社オークローンマーケティング/ショップジャパン発表。低反発性マットレス単体国内市場2013年度〜2025年度、小売販売金額ベース・シリーズ製品合算値。株式会社矢野経済研究所調べ、2026年7月現在。
なぜ低反発のトゥルースリーパーは今も売れるのか
では、なぜなのでしょうか。
個人的には「低反発だから」という理由だけではないと思っています。
今ある寝具に敷くだけ、という分かりやすさが強い
まず大きいと思うのが、トゥルースリーパーの代表商品がオーバーレイタイプであることです。
ベッドマットレスを丸ごと買い替える必要はありません。
今使っているマットレスや敷布団の上に、そのまま敷く。
これだけです。
マットレスを買い替えるとなると、
「古いマットレスをどう処分するか」
「10万円近く払って合わなかったらどうするか」
「ベッドフレームとのサイズは合うか」
など、意外と考えることがあります。
その点、トゥルースリーパー プレミアリッチはシングルで約3万円。今の寝具を捨てずに寝心地だけ変えられるので、買うときの心理的なハードルがかなり低いです。
これは売れ続ける理由としてかなり大きいと思います。
低反発の寝心地を求めている人は今も多い
最近は「高反発=良いマットレス」のように語られることもあります。
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でも、これは少し単純すぎます。
高反発には高反発の良さがありますし、低反発には低反発の良さがあります。低反発ウレタンの大きな特徴は、身体のラインに沿って沈み込み、肩やお尻など出っ張った部分への圧を逃がしやすいこと。
身体を押し返すというより、やさしく受け止める方向の寝心地です。反対に高反発は、沈み込んだ身体を押し返す力を感じやすく、寝返りのしやすさにつながります。
どちらが優れているというより、求めている寝心地が違います。
消費者は「反発力」だけでマットレスを選んでいない
先ほどの300人調査には、もうひとつ面白いデータがあります。
「現在のマットレスを選んだ理由」を聞いたところ、
| 選んだ理由 | 割合 |
|---|---|
| 価格が手頃だった | 25.3% |
| 硬さがちょうどいい | 16.2% |
| 寝心地がよい | 14.3% |
| 体圧分散に優れている | 11.6% |
| 腰痛・肩こり対策として | 10.1% |
という結果でした。
出典:ムーンムーン株式会社「マットレスの種類と寝心地」に関する調査、全国20〜60代男女300名。
「寝返りしやすい高反発であること」が消費者全員の最優先事項ではありません。
価格、硬さ、寝心地、体圧分散。こうした複数の条件を見ながら選んでいます。
トゥルースリーパーはその中でも、身体へのフィット感と導入しやすい価格という分かりやすい価値を持っています。
ブランドを知っている安心感も大きいと思う
寝具は、買ってすぐ性能を判断できる商品ではありません。
数日、場合によっては数週間寝てみないと、自分に合うか分からないこともあります。
だからこそ「以前から知っている」という安心感は大きいです。
トゥルースリーパーは2003年から販売され、テレビ通販などを通じて長く認知されてきました。
- 親が使っていた
- テレビで見たことがある
- 名前は知っている
こうしたブランド認知は、性能とは別の話ではあります。
ただ、ネット上に聞いたことのないマットレスが大量にある今だからこそ、「知っている」ということ自体が購入理由になりやすいのではないかと思います。
実はトゥルースリーパーも「低反発だけ」ではなくなっている
ここも結構重要です。
現在のトゥルースリーパーは、昔ながらの「柔らかく沈み込む低反発だけ」のブランドではありません。
代表モデルのプレミアリッチは、柔らかい低反発素材と硬めの高反発素材を組み合わせた構造です。
上層で身体にフィットし、下層では沈み込みすぎないよう支える。
また、ショップジャパン公式では硬めの高反発モデル「エアフリー」も展開されています。
つまりブランドとしても、
「低反発だけが正解」
とはしていないんですよね。
最近のウレタンマットレスは、低反発・高反発のどちらか一方で寝心地を作るというより、異なる性質のフォームを組み合わせる設計が増えています。
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ウレタンマットレスの構造や寝心地は、ここ数年でかなり変わってきたと感じています。
もちろん低反発が合わない人もいる
ここまで書くと、トゥルースリーパーをかなり高く評価しているように見えるかもしれません。
ただ、低反発が誰にでも合うとは思っていません。
- 身体が沈み込む感覚が苦手な人
- 強めの反発力が好きな人
- 寝返りのしやすさを最優先したい人
- 暑がりで身体とマットレスの密着感が気になる人
こういった人は、高反発ウレタンやポケットコイルの方が合う可能性があります。
私自身も、基本的には反発力があり寝返りしやすいマットレスを好みます。だから「13年連続No.1だからトゥルースリーパーを選べばいい」という話ではありません。
売れている理由と、自分に合うかどうかは分けて考えた方がいいです。
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床に直接敷いて使いたい場合は、ベッドマットレスとは別の基準で選んだ方が使いやすいです。
まとめ|低反発が古くなったわけではない
高反発ウレタンへの関心は確かに高まっています。
2026年の300人調査でも、次に検討したいタイプでは高反発ウレタンが28.4%でトップでした。
ただ、現在使っているマットレスを見ると低反発ウレタンは29.0%で、依然として大きな割合を占めています。
そしてトゥルースリーパーは、その低反発市場で13年連続売上金額No.1。
その背景には、
・身体にフィットする低反発ならではの寝心地
・今の寝具に敷くだけという使いやすさ
・約3万円から試せる導入しやすさ
・20年以上続くブランド認知
・低反発だけに固執せず寝心地を進化させていること
など、いくつもの理由がありそうです。
高反発が注目されているから、低反発はもう古い。
そこまで単純な話ではないと思います。
結局のところ、マットレスで大事なのは「今どの素材が流行っているか」ではなく、自分がどんな寝心地を求めているのか。
トゥルースリーパーが今も売れ続けていることは、身体をやさしく受け止める寝心地を求めている人が、今も一定数いることの表れなのかもしれません。
今 真一