マットレスについて相談を受けていると、よく聞かれる質問があります。
「ウレタンとコイルなら、結局どっちがいいですか?」
個人的には、どちらかといえば今でもコイル派です。反発力があり、身体を下から支えてくれる感覚や寝返りのしやすさは、ポケットコイルの方が好みに合うことが多いからです。
ただ、ここ数年いろいろなマットレスを試していて感じるのは、ウレタンマットレスの寝心地がかなり良くなっていること。特に5〜6万円前後までの価格帯では、同じ予算ならウレタンの方が寝心地や品質にお金をかけやすいケースもあります。
![]()
以前ほど「同じ価格ならコイルを選びたい」とは思わなくなってきました。
この記事の執筆・監修者
身長175cm・体重62kg。100種類以上のマットレスを体験し、寝心地や体型との相性をレビュー。YouTubeでは500件以上の寝具相談に対応してきました。
最近のウレタンは寝心地をかなり作り込める
ウレタンマットレスの良さは、身体への当たりをやわらかくしやすいことです。
肩やお尻などの出っ張った部分を適度に沈ませながら、身体全体を面で受け止められるため、体圧分散やフィット感を重視した寝心地を作りやすい素材です。
一方で、以前は沈み込みすぎたり、寝返りしにくかったり、熱がこもりやすかったりと、気になる部分もありました。
最近は、このあたりの弱点がかなり改善されている印象があります。硬さの異なるウレタンを重ねたり、部分ごとに硬さを変えたり、表面のクッション性と土台部分の支持性を分けたりと、構造自体が複雑になっています。
単純に「柔らかいウレタンを厚くした」というものではなくなってきました。
5〜6万円ならウレタンの方が魅力的なこともある
ここは価格との関係も大きいと思っています。
ポケットコイルは、コイルそのものの品質が寝心地だけでなく耐久性にも関わります。線材やコイル数、配置などにこだわれば、そのぶん製造コストも上がります。
さらに、その上にウレタンや綿などのクッション層も必要です。そのため、ある程度品質の良いコイルマットレスを作ろうとすると、どうしても価格は上がりやすくなります。
一方、ウレタンマットレスは10万円以下程度でも、フォームの品質や厚み、多層構造などにコストを振り分けやすい性質もあります。実際に同じくらいの価格帯で比べると、ウレタンの方が表面のフィット感や全体の仕上がりが良いと感じることも少なくありません。
特に印象が変わったのはコアラマットレス
最近試した中で、特にウレタンの進化を感じたのがコアラマットレスPLUS 2nd Genです。
![]()
腰まわりは沈ませすぎない一方で、身体に近い部分はやわらかい印象。
![]()
横向きになっても肩や腰まわりにほどよくフィットし、あお向けになったときには腰が落ち込みすぎないバランスがあります。強く跳ね返すような寝心地ではありませんが、寝返りするときに身体が沈み込んだままになる感じも少ないです。
![]()
ウレタンマットレスでここまで「あお向けと横向きの両方で寝やすい」と感じるモデルは、以前より増えてきたと思います。
関連
コアラマットレスPLUS 2nd Genについては、実際に寝たときの硬さや横向き寝、寝返りのしやすさまで詳しくレビューしています。
もちろん、コアラだけが特別という話ではありません。
雲のやすらぎプレミアムマットレスⅡ(カバー外した状態)
少し価格を抑えるなら、雲のやすらぎプレミアムマットレスⅡも寝心地と価格のバランスを取りやすいモデルです。
ウレタンだから高級、コイルだから高級ということではなく、今は素材よりも「その価格の中で、どこにコストをかけているか」を見ることも大切だと思います。
床置きなら選び方は少し変わる
ベッドフレームを使わず、床や畳に直接敷きたい場合は、厚みのあるベッドマットレスだけが選択肢ではありません。
私なら、床置きで寝心地を重視するならコアラフトンPLUSや、SOMRESTAシリーズも候補に入れます。
コアラフトンPLUS
SOMRESTA
こうしたタイプは収納や上げ下ろしのしやすさも含めて選べるため、ベッドマットレスとは少し違った基準で考えた方がいいです。
関連
床置きや収納のしやすさを重視する人は、折りたたみタイプも含めて比較すると選びやすくなります。
予算は3〜5万円、5〜10万円、15万円以上で考えやすい
マットレスは価格差が大きいですが、個人的には予算をある程度先に決めてしまった方が選びやすいと思っています。
![]()
なるべく予算をかけたくないけれど、寝心地が良く長く使えるものを選びたいなら、3〜5万円前後。少しでも睡眠環境を良くしたい、寝心地にもある程度こだわりたいなら5〜10万円前後。この価格帯はウレタンマットレスの選択肢もかなり充実しています。
さらに素材や表面のクッション性、つくりまで含めてしっかりこだわりたいなら、15万円以上も選択肢に入ってきます。質の良いコイルと厚みのあるクッション層を組み合わせたマットレスなども、このあたりから選択肢が増えてきます。
もちろん、高ければ必ず合うわけではありません。
どの価格帯から探せばいいかわからない場合は、マットレスおすすめランキングから全体を見てみると、自分の予算感もつかみやすいと思います。
今は「ウレタンだから劣る」とは言いにくい
今でも、反発力や寝返りのしやすさ、身体をしっかり支えてくれる感覚だけでいえば、私はポケットコイルを好むことが多いです。
ただ、最近のウレタンマットレスを試していると、その差はかなり小さくなってきたと感じます。特に価格まで含めて考えると、10万円以下程度ではウレタンの方が寝心地や品質に魅力を感じるケースもあります。
一方で、予算を上げて質の良いコイルや表層素材までしっかり選べるようになると、コイルマットレスならではの良さも出てきます。なので、これからマットレスを選ぶなら「ウレタンかコイルか」だけで決める必要はありません。
素材はあくまで寝心地を作る要素のひとつ。予算の中で何にコストがかけられているのか、どんな構造で、どんな寝心地を目指しているのか。そこまで見て選んだ方が、自分に合う一枚を見つけやすいと思います。
今 真一