睡眠の質を上げるためには、どんな食べ物を摂るかが大きく関係しています。
「しっかり眠れていない」そんな風に感じている方は、まず日ごろの食生活から見直してみましょう。
今回は、睡眠の質を上げる食べ物について詳しく紹介していくので参考にしてみてくださいね。
目次
睡眠の質を上げるために食べ物が関係している
コロンビア大学のMarie-Pierre St-Onge氏の研究により以下の3点がわかっています
・睡眠と食生活は相互に影響を及ぼしている
・食生活を改善することで健康的な睡眠をサポートできる
・睡眠の質を「上げる食べ物」と「下げる食べ物」がある
とくに日本人は「慢性的な睡眠不足」と言われています。
空腹感を感じやすくなる、砂糖や脂肪が多い食べ物を欲するなど、その影響は深刻。
まず、毎日の「食べ物」を見直しましょう。慢性的な睡眠不足改善の第一歩になるかもしれません。
睡眠の質を上げる食べ物7選
身近な食べ物のなかにも、睡眠の質を上げるために良いとされる食材があります。
ポイントは「トリプトファン」と「ビタミンB」を含んでいること。
睡眠の質を上げる食べ物7選を詳しく紹介していきます。
乳製品
トリプトファンは乳製品に多く含まれています。
牛乳やヨーグルト、チーズは調理をしなくても、そのまま摂取できるので取り入れやすい食べ物です。
カルシウムには交感神経を落ち着かせる効果もあります。
まずは、寝る前にコップ1杯のホットミルクを取り入れてみましょう。
電子レンジで簡単に作れて体も温まるので、睡眠前の飲み物に最適です。
ナッツ類
ピ-ナッツやアーモンドなどのナッツ類にはトリプトファンが含まれています。
ナッツ類は個包装で売られているものも多いので、持ち歩きがしやすいです。
小腹が空いたときのおやつとしても気軽に取り入れやすい食べ物ですよね。
またナッツ類にはマグネシウムも多く含まれています。
マグネシウムには精神を安定させる、神経の興奮を抑えてくれる働きがあるので睡眠の質を上げる効果も期待できます。
大豆食品
大豆製品は、ナッツ類同様トリプトファンとマグネシウムを多く含む食べ物です。
日本人の食卓に馴染み深い大豆食品は、1度の食事でたくさん摂取できる点がメリット。
まずは、毎日の食事に納豆と味噌汁をプラスすることから始めてみましょう。
どうしても難しい人は豆乳から取り入れてみるといいかもしれません。
バナナ味など飲みやすく味付けされたタイプや飲み切りタイプもあるので、小腹が空いたときにおやつ感覚で摂取できます。
玄米
玄米のトリプトファン含有量は、白米のおよそ1.2倍。
毎日お米を食べる、ご飯が好きという人は玄米からの摂取を検討してみましょう。
玄米はトリプトファン以外の栄養も豊富で、ビタミンB1、食物繊維、マグネシウムも含みます。
これらの含有量を同量の白米と比べてみると、ビタミンB1とマグネシウムは約5倍、食物繊維は約6倍も多く含有しています。
いきなり切り替えるのは難しい人は、まずは白米に混ぜて炊くことから始めてみましょう。
バナナ
トリプトファンとビタミンBを「気軽に摂取したい」を叶えてくれる食べ物が、バナナ。
バナナにはトリプトファンだけでなく、ビタミンB6も豊富に含まれています。
バナナを食べるときは、牛乳と一緒に摂取するのがおすすめ。
カルシウムの効果とトリプトファンの働きで、睡眠の質を上げるだけでなく安眠効果やストレス解消も期待できます。
アボカド
果物の中でもう1つのおすすめがアボカド。
脳の健康にいい食べ物をブレインフードと呼びますが、アボカドはその名にふさわしく栄養も豊富です。
とくに睡眠の質を上げるために欠かせないビタミンB群は、果物の中でもトップクラスの含有量。
ビタミンBは水溶性のビタミンで、調理が不要。
そのまま食べるだけで効率よく摂取できるので、アボカドは睡眠の質を上げるためにうってつけの食べ物。
食物繊維が豊富で腹持ちもいいので、サラダやトッピングに今日からプラスしてみましょう。
魚介類
トリプトファンは、魚介類にも多く含まれています。
とくに多く含まれているのはエビ、イカ、カニ、ホタテ、さらにアジやサバなどの青魚からも摂取できます。
青魚や生臭さを感じて苦手という人には、加工食品がおすすめ。
かつお節やするめなど生臭さが比較的抑えられた食べ物でも、トリプトファンは摂取できます。
睡眠の質を上げる食べ物に含まれる重要な栄養素
前項で、ポイントは「トリプトファン」と「ビタミンB」と紹介しました。
ではなぜ、睡眠の質を上げるためには「トリプトファン」と「ビタミンB」が必要なのでしょうか?
トリプトファン
トリプトファンは必須アミノ酸の一種。
トリプトファンの摂取量は、セロトニンの分泌量に直結しています。
セロトニンは、やる気や幸福感につながる脳内の神経伝達物質で「幸せホルモン」とも呼ばれています。
不足すると神経伝達物質のバランスが崩れて、睡眠の質が低下することが分かっています。
残念ながら、トリプトファンは体内で合成できない成分。
睡眠の質を上げるためには、食事からトリプトファンを摂取するように心がけてみましょう。
ビタミンB
ビタミンの中でも重要なのがビタミンB群。
ビタミンBが不足すると、睡眠の質の低下や集中力の欠如などの症状が現れます。
トリプトファンがセロトニンに変化するためには、ビタミンBが必要不可欠。
まずは摂取しやすいバナナやアボカドから意識して食べるようにしてみましょう。
これはNG!睡眠の質を下げる食べ物
睡眠の質を上げる食べ物もある一方で、摂り方を間違えると睡眠の質を下げる食べ物があります。
- カフェインを多く含む飲み物
- アルコール類
- 高カカオチョコレート
カフェインを多く含む飲み物
コーヒーや紅茶はカフェインを多く含むため、気を付けましょう。
カフェインには睡眠物質のアデノシンをブロックして眠気を覚ます働きがあります。
しかも平均して3~4時間体内に残るとされています。
カフェインの摂取はなるべく昼くらいまでに、遅くても夕方までには済ませましょう。
夕食後は麦茶やハーブティー、どうしてもコーヒーを飲みたい場合はノンカフェインやデカフェを活用するのがおすすめです。
アルコール類
本来であれば、アルコールは睡眠導入に効果があります。
適量であれば摂取しても問題ありません。
ただしアルコールの過剰摂取は逆効果になるのでやめましょう。
アルコールを分解するために体が活動状態になり、まったく休まりません。
さらにコワいのが、眠る前のアルコール摂取が習慣になってしまうこと。
眠りはどんどん浅くなり、良質な睡眠とはほど遠い状況になっていくでしょう。
高カカオチョコレート
チョコレートの中にもカフェインを含むものがあります。
とくに、近年流行している高カカオを売りにしたチョコレートには注意が必要。
一般的なミルクチョコレートのカフェイン含有量は100gあたり25~35mgですが、高カカオチョコレートは100gあたり70~120mgと3~4倍も多くなります。
高カカオチョコレートはコレステロール値や血圧の改善など、健康面への効果が期待できる食べ物です。
ただし食べすぎには要注意。摂る時間にも気を付けたいですね。
まとめ
睡眠の質を上げるために効果的な食べ物は、意外に身近な食べ物の中にも多く存在しています。
とくに納豆や豆腐、乳製品は購入もしやすく、レシピも豊富。
そのままでも摂取できるので、毎日の食生活にプラス1品取り入れてみるといいかもしれません。
ただ、睡眠の質を下げる食べ物にも注意しましょう。
睡眠の質を上げる食べ物を摂取しても、コーヒーやアルコールを取りすぎれば効果は当然減少します。
摂取するときは時間帯や量に気を付けて楽しむようにしたいですね。