ニトリはもっとも身近な寝具店のうちのひとつ。「マットレスを買う」となるとまず最初に思いつくメーカーともいえるのではないでしょうか。
しかし、ニトリで販売するマットレスは種類が多く、多種多様な商品がありどれが良いのかわかりませんよね。それに、腰痛悪化や選んで失敗した、やめとけといった声もあります。
当記事ではマットレスに詳しい筆者が、ニトリのマットレスが腰痛に良いのか、腰痛対策向きのおすすめモデルなどわかりやすく紹介しています。ニトリを選んで失敗した人の声もまとめているので、購入の参考にしてみてください。
「腰痛対策に向いているマットレス」全体を比較した記事は、以下で詳しくまとめています。
この記事の監修者
身長175㎝/体重62㎏。眠ハックの運営者。睡眠の質向上には寝具が重要と気づいて7年経つ寝具選びのプロ。自宅の一室は検証のためのマットレスだらけ。マットレス以外にも睡眠の大切さを世の中に広げる活動をしている。
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結論まとめ:こういう人は「ニトリのマットレス」は注意
ニトリのマットレスは価格と手軽さが魅力ですが、腰痛がある方・腰に不安を感じている方にとっては注意が必要なケースもあります。特に、次のようなタイプの人は慎重に選んだほうが安心です。
柔らかめの寝心地が苦手な人
ニトリの人気モデルの多くは、体を包み込むようなやわらかめ設計のものが中心です。
寝心地としては快適でも、腰まわりが沈み込みすぎると、寝ている間に腰へ負担がかかることがあります。
「ふわっと沈む感じが好き」という方には合いますが、腰をしっかり支えてほしい人には物足りない場合があります。
朝起きたときに「腰が重い・だるい」と感じやすい人
すでに以下のような症状がある方は、マットレスとの相性が悪いサインが出やすい状態です。
- 朝起きると腰がこわばる
- 寝起きに腰が伸びにくい
- 寝ているはずなのに疲れが抜けない
やわらかすぎる寝具を選んでしまうと、腰痛が悪化するきっかけになることもあります。
仰向けで寝ることが多い人
仰向け寝は腰に体重が集中しやすい寝姿勢です。
この姿勢で腰部分が沈み込みすぎるマットレスを使うと、背骨が「くの字」に曲がりやすくなります。
横向き寝中心の人に比べて、仰向け寝が多い人ほどマットレスの影響を受けやすいため注意が必要です。
体重に対して「薄め・やわらかめ」を選びがちな人
ニトリには手頃な価格帯で薄型マットレスも多くありますが、以下のような条件だと、底付き感や腰の沈み込みが強く出やすくなります。
- 体重が比較的重め
- 床置きや畳に直置きで使う予定
結果的に腰痛の原因になってしまうケースも少なくありません。
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ニトリマットレスでなぜ腰痛が悪化する可能性があるのか
「寝るために選んだはずのマットレスなのに、なぜ腰が痛くなるの?」と疑問に思う方は少なくありません。
結論から言うと、マットレス自体が悪いのではなく、体との相性が合わない設計が腰への負担を増やしてしまうことが原因です。
ニトリのマットレスで腰痛が悪化すると言われる理由には、主に次のようなポイントがあります。
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- 柔らかすぎると腰だけが深く沈み込む
- 寝返りがしにくく、同じ姿勢のまま固定されやすい
- 「体圧分散」が不十分なモデルもある
- 使い方次第で腰への負担はさらに増える
それぞれ解説していきます。
そもそもマットレスで腰が痛くなる仕組みについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
柔らかすぎると腰だけが深く沈み込む
腰痛の大きな原因のひとつが、腰部分だけが必要以上に沈んでしまう現象です。
ニトリのマットレスは「やわらかく包み込むような寝心地」を重視しているモデルが多く、体重のかかりやすい腰まわりだけが深く沈みやすい傾向があります。
本来、理想的な寝姿勢は「首・背中・腰がほぼ一直線に保たれている状態」です。
- 骨盤が後ろに倒れる
- 背骨が不自然に曲がる
- 寝ている間も腰に力が入り続ける
しかし腰だけが沈みすぎると、上記のような状態になり、朝起きた瞬間から腰が重い・痛いという現象につながります。
寝返りがしにくく、同じ姿勢のまま固定されやすい
腰痛対策において意外と重要なのが「寝返りのしやすさ」です。ニトリの柔らかめマットレスでは、体がマットレスに沈み込んだ状態になりやすく、寝返りのたびに余分な力が必要になります。
その結果、寝返りの回数が自然と減り、同じ姿勢で長時間眠り続けてしまい、特定の部位に圧力が集中。特に腰まわりは常に体重がかかるため、動きづらい寝環境は腰痛を悪化させる大きな要因になります。
腰はもともと体の中心で負担がかかりやすい部分なので、動きづらい寝環境は腰痛悪化の大きな要因になります。
寝返りのしやすさを重視する場合は、こちらのポケットコイル系マットレスの記事も参考になります。
「体圧分散」が不十分なモデルもある
ニトリのマットレスでも上位モデルは体圧分散性に配慮されていますが、価格帯が手頃なモデルでは、構造がシンプルなものも多いです。
体圧分散が不十分だと、例えば以下のような状態になり、睡眠中にも腰にストレスがかかり続けます。
- 腰だけに体重が集中する
- 肩・お尻とのバランスが崩れる
- 一部の筋肉が休めない
特に薄型タイプや一体型構造のマットレスは注意が必要です。
使い方次第で腰への負担はさらに増える
マットレス単体だけでなく、「使い方」も腰痛悪化に関係します。
以下のような環境では、腰への負担が強くなる傾向があります。
- フローリングや畳に直置きしている
- すのこの隙間が広いベッドフレームを使っている
- もともと敷布団生活から切り替えたばかり
マットレスの性能だけでなく、設置環境との相性でも腰痛リスクは変わります。
ニトリのマットレスで腰痛悪化した人はいる?
ニトリのマットレスで腰痛悪化した人の評判を集めて検証しています。
※あくまで個人の感想であり、すべての人に当てはまるわけではありません。
おおまかにまとめると以下です。
- 5,000円くらいのニトリに変えたら腰が痛くなった
- 腰のあたりが半年足らずでヘたってきた
- 1年保証付きの商品が1年以内に2度へたった
- 柔らかすぎて反り腰になった
特に目立ったのは、「柔らかすぎる」「腰の部分だけ沈み込む」という内容です。
価格が手頃なモデルほど、クッション性が強く、腰まわりの支えが弱いと感じる人が多い印象でした。
背中が痛いから煎餅布団からニトリの5000円ぐらいのマットレスにしたら腰が痛くなった。
引用:X
今使ってるマットレス180Nもあるのにそれでも腰の辺りが沈んで腰が痛くなる 使ってから半年も経ってないのにすでにヘタってきてるし…
引用:X
ニトリのマットレス使ってるんだけど、腰の部分が沈んじゃって1年保証の期間だったから交換してもらったのね、そしたら新しいマット交換して半年も経ってないのにまた腰の部分沈んできちゃって落ち込んでる。
引用:X
前はニトリの柔らか過ぎるマットレスで反り腰になり腰痛で 今度はフランスベッドのボンネイルコイルマットレスが硬すぎて腰痛です
引用:X
ニトリのマットレスじゃダメなのかなぁ〜 腰が痛すぎる
引用:X
ニトリのマットレス柔らかくて腰が痛いのでマットレストッパーといい感じの座椅子をボーナスで注文しちゃった
引用:X
ただし、ここで誤解してほしくないのは「全員が腰痛になるわけではない」という点です。
実際には、問題なく使えている人、逆に「硬すぎて合わなかった」と感じている人もいます。
つまり、ニトリのマットレスが悪いのではなく、「体格・寝姿勢・好みとの相性」で結果が大きく変わるというのが実態です。
“腰痛対策目的”でニトリを選ぶなら?比較的マシなモデルと注意点
ニトリにも、腰痛対策を念頭に「やや硬め」「体圧分散を重視」「腰を支えやすい」設計のマットレスがあります。以下は、腰痛対策用として比較的安心感のあるモデルの例です。
こちらでは一般ユーザーが「腰痛対策におすすめ」と感じた4つのモデルを紹介しています。
ニトリ腰を支えるマットレス
これを買うまでは毎回起きると悩まされていた腰痛が緩和されているし、睡眠の質も爆上がり!
引用:X
上記コメントをした方が薦めるのは「腰を支えるマットレス」です。
| 価格(税込) | 6,990円 |
|---|---|
| タイプ | ウレタン |
| 厚さ | 8cm |
| 重さ | 4.2kg |
| 硬さ | 普通 |
| 寝姿勢 | あお向け・横向き |
| 両面使用 | × |
腰を支えるマットレスは安いながらに評判の良いモデルです。凹凸プロファイルカットを採用しており、体圧分散性に優れています。また、頭と脚部よりも腰が硬めにつくられているため、腰の沈み込みを軽減します。厚さは8cmとやや薄めなので、人によっては追加でトッパーや敷布団を使用する必要があるでしょう。
じんわりフィットする低反発敷布団
そこそこお高めのベッド用マットレスからこれに買い換えて使用したところ明らかに睡眠の質が上がってビックリしている…寝起きに腰も痛くない何これコスパ最高
引用:X
上記コメントをした方が薦めるのは「じんわりフィットする低反発敷布団」です。
| 価格(税込) | 11,490円 |
|---|---|
| タイプ | ウレタン |
| 厚さ | 8cm |
| 重さ | 4.8kg |
| 硬さ | やや柔らかめ |
| 寝姿勢 | あお向け |
| 両面使用 | × |
じんわりフィットする低反発敷布団はただ柔らかいだけではありません。硬さの違う3層ウレタン構造なので、腰の沈み込みを防いでくれます。しかし、じんわりフィットする反面寝返りがしにくいのがデメリット。「長時間寝ると身体が痛くなる」という声もありました。沈み込みをおさえるとはいっても、体重が重ためであれば床付きは防ぎきれません。このマットレスは比較的体重が軽めな人におすすめです。
低反発マットレストッパー
ニトリでマットレストッパー(マットレスの上に敷く)を購入。高反発マットレスの上に6cm低反発マットレストッパーの組み合わせで使っているけど、これが反り腰にちょうど良いんだわ…
引用:X
上記コメントをした方が薦めるのは「低反発マットレストッパー」です。
| 価格(税込) | 15,490円 |
|---|---|
| タイプ | ウレタン |
| 厚さ | 6cm |
| 重さ | 5.7kg |
| 硬さ | 柔らかめ |
| 寝姿勢 | 横向き |
| 両面使用 | × |
この商品は「トッパー」なので、お手持ちの寝具の上に敷いて使います。もっちりとした寝心地が人気です。低反発のトッパーは身体への圧力を分散させてくれますので、腰部や肩など圧迫感を感じやすい方におすすめ。比較的体重が軽めな方の方が満足しやすい商品です。
Nスリープハード H1-02CR
昨夜から新しいマットに変えました! N-Sleepの硬めで表面の詰め物が一番薄いタイプ 昨晩一晩寝て、朝起きたら腰や背中・腿の痛みや張りがなくなりましたw 寝心地めちゃくちゃ快適! ヘビーウェイトなワテクシには高反発・硬めがピッタリのようです(^^;;
引用:X
上記コメントをした方が薦めるのは「Nスリープハード H1-02CR」です。
| 価格(税込) | 46,990円 |
|---|---|
| タイプ | ポケットコイル |
| 厚さ | 約25cm |
| 重さ | 約29kg |
| 硬さ | やや硬め |
| 寝姿勢 | あお向け・横向き |
| 両面使用 | × |
Nスリープの中でも硬めのタイプで、「腰を支えたい」「腰が沈むものはイヤだ」といった方におすすめ。あくまでもポケットコイルマットレスなので、ボンネルコイルのように硬いわけでなく、しっかり支えたうえで体圧の分散も促してくれるような寝心地です。
それでも「合う/合わない」は人による!試す際のポイントを伝授
どれだけ評判が良いマットレスでも、すべての人に合うとは限りません。
実際に腰痛対策を目的にマットレスを探している方ほど、「情報として正しいか」だけでなく「自分の体に合うかどうか」が非常に重要になります。
ここでは、ニトリのマットレスを試す際に意識しておきたいポイントを整理してお伝えします。
試すときは「5分以上」横になって確認
店舗でマットレスを試す場合、つい短時間で判断してしまいがちですが、最低でも5分以上は横になることをおすすめします。
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横になった際に確認したいのは以下の点。
- 腰が自然に持ち上がりすぎていないか
- 腰だけが沈み込みすぎていないか
- 背中〜腰〜お尻にかけて違和感がないか
こうした感覚をご自身の体で確かめてみてください。展示用のマットレスは実際に使い込まれていることも多く、新品とは感触が若干違うことがある点も意識しておくと安心です。
「仰向け」と「横向け」の両方でチェックすることが大切
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普段よくとる寝姿勢だけでなく、仰向けと横向けの両方を試してみることが重要です。
仰向けのときは、腰とマットレスのすき間が大きく空いていないか、背骨が不自然なカーブになっていないかを意識して確認します。
横向きのときは、肩や腰が強く押しつけられすぎていないか、体が内側に丸まりすぎていないかといった点に注目すると、自分との相性が見えやすくなります。
「硬さ」だけでなく「反発力」にも注目
腰痛対策というと「硬めのマットレス」が良いと思われがちですが、実際には硬さだけで判断するのはおすすめできません。
大切なのは「体を押し返してくれる力」、つまり反発力です。
体を乗せたときにじんわり沈んで、自然に支え返してくれるような感覚があるかどうか。
沈んだまま戻ってこない感覚が強い場合は、腰に負担がかかりやすい傾向があります。
自宅で使う環境もイメージしながら判断
店頭では問題なく感じても、自宅の環境によって寝心地が変わるケースは少なくありません。
確認しておきたいポイントは以下の通りです。
- 使用予定のベッドフレームやすのこの硬さ
- 床置きの場合はフローリング・畳の状態
- いま使っている枕との高さの相性
マットレスだけでなく、周辺環境とのバランスも意識できると、失敗のリスクを大きく減らせます。
ニトリ以外の選択肢|腰痛対策マットレスのおすすめ例を紹介
ニトリのマットレスに求める特徴を以下の2つと仮定して、おすすめのマットレスを選んでみました。
- コスパに優れている
- お試ししやすい
ニトリのマットレスはリーズナブルで、店舗が身近にある場合が多くお試ししやすいという特徴があります。今から紹介するマットレスは店舗では試すことはできませんが、購入後に自宅でお試し後、合わなければ返品できる保証制度を設けているマットレスです。
| 商品名 | 雲のやすらぎ三つ折り | コアラ布団oasis | エマハイブリッドV2 |
|---|---|---|---|
| 商品画像 | |||
| 価格(税込) | 41,800円 | 49,900円 | 133,000円 →半額クーポンあり |
| タイプ | ウレタン | ウレタン | ポケットコイル |
| 厚さ | 約13cm | 8.5cm | 25cm |
| 重さ | 約9.6kg | 約8.65kg | 18.4kg |
| 硬さ | 普通 | やや硬め | やや柔らかめ |
| 寝姿勢 | あお向け・横向き | あお向け | あお向け・横向き |
| 両面使用 | ○ | ○ | × |
| カバー | 洗濯可能 | 洗濯可能 | 洗濯可能 |
| 製品保証 | なし | 5年間 | 10年間 |
| お試し期間 | 100日間 | 120日間 | 100日間 |
ニトリの中でも腰痛対策向きモデルを紹介しましたが、個人的には上記3マットレスがおすすめ。
価格を比べると高く感じると思います。しかし、品質も価格に比例して高く、その寝心地は大きな差があります。これらのマットレスを使用したあとではニトリのマットレスに戻れなくなるでしょう。
各マットレスのレビューは以下です。
各マットレスのレビュー記事
まとめ & “失敗しない寝具選び”のチェックリスト
ニトリのマットレスに限らず、寝具選びでもっとも大切なのは「有名だから」「価格が手頃だから」という理由だけで決めないことです。
腰痛対策を目的にする場合は、見た目や口コミよりも、実際に寝たときの体の感覚を優先することが失敗しにくいポイントになります。
睡眠中は無意識のうちに体を休めています。その時間に体を預ける寝具は、思っている以上に腰への影響が大きいものです。
だからこそ、「なんとなく」ではなく「納得して選ぶ」視点が重要になります。
腰痛対策を重視したマットレスの選び方は、以下の記事で整理しています。
今 真一