マットレスとは、睡眠中の体を支え、寝姿勢を整えるための寝具のことです。布団との違いは、体圧分散や寝心地の良さにあり、腰痛対策や快眠のために欠かせないアイテムとなっています。
マットレスにはポケットコイル・ボンネルコイル・ウレタン・ファイバーなどさまざまな種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。本記事では「マットレスとは何か?」という基本から、種類ごとの特徴、選び方のポイントまでわかりやすく解説します。
この記事の監修者
身長175㎝/体重62㎏。眠ハックの運営者。睡眠で悩む人の相談を受けたり講習会を通して睡眠の大切さを世に広める活動をしている。マットレスや枕選びはYouTubeで好評受付中。
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マットレスとは?基本の意味と役割
マットレスとは、睡眠中の体を支えるためにベッドや床に敷く寝具のことを指します。ここでいう「布団」は掛布団ではなく、床に直接敷いて使う敷布団です。敷布団が比較的薄く、持ち運びや収納に優れる一方で、マットレスは内部にコイルやウレタンなどを組み込んだ厚みのある構造で、体を下からしっかりと支えるのが大きな特徴です。
マットレスの主な役割(体圧分散・寝姿勢保持・快眠効果)
マットレスの役割は大きく3つに分けられます。
<体圧分散>
体の一部に負担が集中しないよう、圧力を分散させる役割があります。適切なマットレスを選べば、肩や腰への負担を軽減できます。
<寝姿勢の保持>
理想的な寝姿勢は「立っているときの背骨の自然なS字カーブを保つこと」とされています。マットレスはこの姿勢を寝ている間もサポートし、身体の歪みや疲労の蓄積を防ぎます。
<快眠効果>
快適な寝心地を提供することはもちろん、寝返りのしやすさや通気性も含めて「深い眠り」をサポートします。結果的に日中の集中力やパフォーマンスにもつながるのです。
布団とマットレスの違いとは?
布団とマットレスはどちらも寝具ですが、ここでいう「布団」は掛布団ではなく敷布団を指します。敷布団は薄くて軽く、畳や床に直接敷いて使えるのが特徴。一方マットレスは内部にコイルやウレタンなどの素材を組み合わせた厚みのある構造で、体を下から支え、寝姿勢を整える役割を持っています。この違いを理解することで、自分の生活スタイルや睡眠環境に合った寝具を選びやすくなります。
布団とマットレスの違いとは
- 厚み・構造の違い
- 寝心地やサポート力の違い
- ライフスタイル別の選び方
厚み・構造の違い
布団とマットレスの一番の違いは「厚み」と「構造」です。布団は綿や化学繊維を詰めた比較的薄い寝具で、敷き布団として畳や床に直接敷いて使うのが一般的です。一方、マットレスは内部にコイルやウレタンなどの素材を組み合わせ、10〜30cm程度の厚みを持たせています。そのため体をより立体的に支える構造になっており、耐久性やサポート力にも大きな差が出ます。
寝心地やサポート力の違い
布団は薄いため寝返りはしやすいものの、体重が一点に集中しやすく、腰や肩に負担がかかることがあります。これに対してマットレスは、体圧分散に優れた構造を持ち、自然な寝姿勢を保ちやすいのが特徴です。特にポケットコイルや高反発ウレタンのマットレスは、背骨のS字カーブを保ちながら全身を支え、腰痛や肩こりの予防にもつながります。
ライフスタイル別の選び方(和室・ベッド派)
- 和室中心の生活 → 折り畳んで収納できる布団が便利。スペースを有効活用でき、湿気対策もしやすい。
- ベッド中心の生活 → 厚みのあるマットレスが快適。体圧分散やサポート力を重視した製品を選べる。
- ミックス派(布団+マットレス) → 敷布団の下に薄型マットレスを敷くと、手軽に寝心地を改善可能。
マットレスの種類と特徴【メリット・デメリット】
マットレスには、コイルを使用したタイプ(ポケットコイル・ボンネルコイル)と、ノンコイル素材を使ったタイプ(ウレタン・ファイバー・ラテックス)があります。それぞれ構造や素材の違いによって、寝心地・耐久性・通気性に大きな差が出ます。ここでは代表的な5種類のマットレスについて、特徴・メリット・デメリット・おすすめな人を整理して解説します。
種類 | 構造/特徴 | メリット | デメリット | おすすめな人 |
---|---|---|---|---|
ポケットコイル | 独立コイルが点で支える。 フィット感・体圧分散に優れる。 |
横揺れが少ない/肩・腰に優しい寝心地/ホテル採用も多い | 重い/価格高め/通気性はやや劣る | 寝心地重視・横向き寝が多い人/二人で寝る家庭 |
ボンネルコイル | 連結コイルで面で支える。 クラシックなスプリング構造。 |
通気性が良い/価格が比較的安い/耐久性まずまず | 揺れが伝わりやすい/一点に荷重が集まりやすい/硬め | コスパ重視・仰向け中心/子どもや来客用 |
ウレタン (高反発・低反発) |
発泡フォーム。 高反発=弾力で寝返り◎/低反発=包み込む。 |
軽量で取り回し良い/選択肢・価格帯が豊富 | 通気性が弱め/湿気・蒸れ対策が必要 | 高反発:腰の沈み込みを抑えたい人/低反発:柔らかめ好みの人 |
ファイバー (樹脂繊維系) |
樹脂繊維の網状体。 通気性が非常に高く水洗い可能。 |
丸洗いでき衛生的/乾きやすい/軽量 | 硬めで好みが分かれる/価格はやや高め | 暑がり・汗かき/清潔さ重視・こまめに洗いたい人 |
ラテックス | 天然/合成ゴムの弾性体。 高い反発力と耐久性。 |
体圧分散◎/静音/長寿命 | 重い/高価/におい・アレルギーに注意 | 耐久性重視/弾力のある支えを求める人 |
※「おすすめな人」は一般的な目安です。体型・寝姿勢・使用環境により最適解は異なります。直置き時は除湿対策(すのこ・除湿シート)を推奨。
ポケットコイルマットレス

ポケットコイル
独立したコイルが一つひとつ体を支える構造で、フィット感が高く体圧分散に優れています。寝返りの際も横揺れが少ないため、二人で寝ても快適に使えます。
- メリット:体圧分散性が高い/横揺れが少ない/高級ホテルでも採用される
- デメリット:重量が重い/価格が高め/通気性はやや劣る
- おすすめな人:寝心地重視の方、横向き寝が多い方、二人で眠るご家庭
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ボンネルコイルマットレス
コイル同士が連結しており、面全体で体を支えるタイプ。比較的リーズナブルで、通気性にも優れています。
- メリット:価格が安い/通気性が良い/耐久性もまずまず
- デメリット:横揺れしやすい/体重が集中しやすい/硬めの寝心地で合う合わないがある
- おすすめな人:コスパ重視の方、仰向けで寝ることが多い方、子どもや来客用
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ウレタン(高反発・低反発)
発泡素材で作られたマットレス。高反発タイプは弾力があり寝返りがしやすく、低反発タイプは体を包み込むような寝心地が特徴です。
- メリット:軽量で扱いやすい/種類や価格帯が豊富/高反発は寝返りがしやすい
- デメリット:通気性がやや劣る/湿気がこもりやすい/夏は蒸れやすい
- おすすめな人:軽量で扱いやすいものが欲しい方、腰痛対策したい方(高反発)、包まれるような寝心地を好む方(低反発)
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ファイバー(樹脂繊維系)
ポリエチレンなどの樹脂を編み込んで作られた通気性抜群のマットレス。代表例は「エアウィーヴ」。
- メリット:通気性に優れる/水洗い可能で衛生的/軽量
- デメリット:寝心地が硬めで好みが分かれる/価格が比較的高い
- おすすめな人:暑がりの方、清潔さを重視する方、小まめに洗いたい方
ラテックスマットレス
天然ゴムや合成ラテックスを使用した弾力のあるマットレス。耐久性が高く、独特の反発力があります。
- メリット:体圧分散性に優れる/耐久性が高い/自然素材の選択肢もある
- デメリット:重量があり扱いにくい/価格が高い/ゴム特有のにおいがある場合も
- おすすめな人:長期的に使いたい方、弾力ある寝心地を求める方、耐久性を重視する方
マットレスの選び方のポイント
マットレス選びの最適解は、体型・寝姿勢・症状(腰痛・肩こり)・住環境で変わります。ここでは「硬さの目安」「腰痛・肩こり対策」「通気性と衛生面(直置きの可否やローテーション)」「部屋の広さや家族構成に合うサイズ」の4視点から、失敗しない基準を具体的に解説します。購入前は“寝姿勢が自然に保てるか”を軸にチェックしていきましょう。
マットレス選びのポイント
- 体型・寝姿勢に合った硬さを選ぶ
- 腰痛や肩こり対策の観点
- 通気性・衛生面・メンテナンス性
- 部屋の広さやライフスタイルに合うサイズ選び
体型・寝姿勢に合った硬さを選ぶ
マットレスは「硬さ」が合わないと体に負担がかかります。
腰痛や肩こり対策の観点
腰痛持ちの方は、腰が沈みすぎない「高反発マットレス」や「コイルマットレス」が向いています。肩こりが気になる方は、横向き寝で肩が楽になる「ポケットコイル」や柔らかめの「低反発」を検討すると良いでしょう。
通気性・衛生面・メンテナンス性
マットレスは長期間使うものなので、通気性や清潔さも大切です。
- 通気性重視:ファイバー素材やボンネルコイルがおすすめ
- 衛生重視:水洗い可能なファイバー、カバーが外せるウレタンタイプ
→清潔さを重視する方は、丸洗いできるマットレスをチェックしてみてください。 - メンテナンス:定期的なローテーション(頭と足の向きを入れ替える)が寿命を延ばすコツ
→詳しいローテーション方法はこちら
部屋の広さやライフスタイルに合うサイズ選び
マットレスのサイズは「快適さ」と「生活動線」に直結します。
- 一人暮らしのワンルーム:シングルやセミダブルが現実的
- 夫婦やカップル:ダブル以上が快適(ただし搬入経路も要確認)
- 子育て世帯:家族で並んで寝るならクイーンやキングも選択肢に
つまり、マットレスのサイズ選びは寝心地だけでなく「部屋の広さ」「家族構成」「搬入経路」まで考慮する必要があるということです。
狭い部屋に大きすぎるマットレスを置けば生活動線を圧迫しますし、逆に小さすぎると寝返りが妨げられ、熟睡を妨げます。自分や家族のライフスタイルに合ったサイズを選ぶことで、快適さと実用性のバランスが取れた睡眠環境を整えられます。
▶ダブルサイズのマットレスおすすめ|安いモデルや腰痛対策まで
▶直置きできるおすすめマットレス10選
マットレスに関するよくある質問(FAQ)
マットレスの寿命はどのくらい?
一般的にマットレスの寿命は 7〜10年程度 とされています。コイルのへたりやウレタンの反発力低下が目安です。ただし、使用環境やメンテナンス次第で寿命は変わり、直置きや湿気が多い環境では劣化が早まります。
床に直置きしてもいい?
床に直接マットレスを置くことは可能ですが、湿気がこもりやすくカビの原因になります。すのこベッドや除湿シートを併用することで、通気性を確保して快適に使えます。
布団の上にマットレスを敷くのはアリ?
敷布団の上に薄型マットレスを敷くことで寝心地を改善する方法はあります。ただし、厚みが出すぎると通気性が悪くなり、寝返りもしにくくなるので注意が必要です。マットレストッパーを敷布団に組み合わせる方が効率的です。
お手入れ方法やローテーションは必要?
マットレスは定期的に ローテーション(上下・前後の入れ替え) を行うとヘタリを防ぎ、寿命を延ばせます。また、カバーを洗濯したり、風通しの良い場所で立てかけて湿気を逃すことも重要です。最低でも 3か月に1回 のメンテナンスを目安にしましょう。
腰痛におすすめのマットレスは?
腰痛対策には 高反発ウレタンマットレスやラテックスマットレス が向いています。これらは腰の沈み込みを防ぎ、背骨のS字カーブを保つサポート力があります。体格や寝姿勢によって最適な硬さは異なるため、実際に寝てみて「腰が浮かず沈みすぎないか」を確認することが大切です。
まとめ|マットレスは快眠の土台。布団との違いを理解して選ぼう
マットレスとは、睡眠中に体を下から支える寝具であり、まさに快眠の土台です。布団(敷布団)との違いを理解することで、自分に合った寝具を選ぶ判断基準が明確になります。
マットレスの種類や特徴を知れば、寝姿勢や体型に合う硬さや素材を選べるようになり、腰痛や肩こりの予防にもつながります。選び方のポイントを押さえて、自分のライフスタイルにぴったりの一枚を見つけることが、質の高い睡眠を得る第一歩です。
今 真一