マットレスの性能を表す指標のひとつに「反発弾性」「反発弾性率」があります。反発弾性は寝返りのしやすさや体のサポート力を左右する重要な要素であり、快適な睡眠を得るうえで欠かせないポイントです。この記事では「反発弾性 マットレス」の基礎知識から選び方までわかりやすく解説します。
この記事の監修者
身長175㎝/体重62㎏。眠ハックの運営者。睡眠で悩む人の相談を受けたり講習会を通して睡眠の大切さを世に広める活動をしている。マットレスや枕選びはYouTubeで好評受付中。
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反発弾性とは?寝返りを左右する重要な指標
反発弾性とは、マットレスに圧力を加えた際に、元の形に戻ろうとする力のことを指します。反発弾性率として数値化されることもあり、日本工業規格(JIS)ではおおむね 20〜60% の範囲が一般的です。
- 数値が高い(40〜60%):弾力が強く、寝返りしやすい
- 数値が低い(20〜30%):体を包み込むようにフィットする
つまり、反発弾性は「寝返りのしやすさ」と「寝心地の柔らかさ」のバランスを判断するための大切な基準なのです。
反発弾性と寝返りの関係|数値が高いとどう変わる?
反発弾性は、寝返りのしやすさを左右する最も重要な要素のひとつです。人は一晩に20〜30回ほど寝返りを打つといわれており、この動きがスムーズであるかどうかは翌朝の疲労感や腰痛の有無に直結します。
反発弾性と寝返りの関係
- 反発弾性が高い場合(40〜60%)
マットレスが押し返す力が強いため、体が沈み込みすぎず、少ない力で寝返りができます。特に腰痛に悩む方や仰向け寝が多い方におすすめです。 - 反発弾性が低い場合(20〜30%)
マットレスが体を包み込むようにフィットし、リラックス感があります。ただし沈み込みが大きく、寝返りには余計な力が必要になります。横向き寝や柔らかめの寝心地を好む方に向いています。
反発弾性の目安と選び方
反発弾性の数値は、マットレス選びの大きなヒントになります。JIS規格では20〜60%が一般的で、その範囲のなかでどの数値を選ぶかによって寝心地や寝返りのしやすさが大きく変わります。
- 30〜40%前後:バランス型
反発力とフィット感の両立ができるゾーン。体型や寝姿勢を問わず多くの人に合いやすく、迷ったときの基準値になります。 - 50%以上:高反発タイプ
押し返す力が強く、寝返りをスムーズにサポート。特に腰痛対策や仰向け寝が多い方に向いています。体重が重めの方でも沈み込みすぎず安定感があります。 - 20%台:低反発タイプ
体をやさしく包み込む寝心地。横向き寝や「ふんわりしたフィット感」を好む人におすすめ。ただし、寝返りはやや打ちづらい点に注意が必要です。
反発弾性とニュートン(N)の違い
マットレスの性能を表す指標には「反発弾性」と「ニュートン(N)」があります。一見似ているように思われますが、実は示している意味が異なります。反発弾性は寝返りのしやすさ(弾力性)を表す数値で、ニュートンはマットレスの硬さを示す単位です。両方を理解しておくことで、より自分に合ったマットレスを選びやすくなります。
指標 | 何を示すか | 単位 | 代表的な目安 | 体感の傾向 | 選び方のヒント/注意点 |
---|---|---|---|---|---|
反発弾性 | 寝返りのしやすさ(弾力性・跳ね返りの割合) | % | 一般的に20〜60%(JIS範囲) 30〜40%=バランス型/50%以上=寝返りしやすい/20%台=包み込む |
数値が高いほど押し返す力が強く、少ない力で寝返りが可能。 低いほど沈み込みが大きくフィット感が増す。 |
腰痛対策・仰向け中心なら40〜50%目安。 横向きや柔らかめ好みは20〜30%台も候補。 ※測定条件や層(トップ層・コア層)で数値が変わる点に注意。 |
ニュートン(N) | マットレスの硬さ(沈み込みに対抗する力) | N | 100N前後=柔らかめ/150〜200N=標準/200N以上=硬め | 数値が高いほど硬く感じやすく、沈み込みが少ない。 数値が低いほどやわらかく、沈み込みが大きい。 |
体格が大きい・しっかり感重視は高めのNを検討。 同じNでも素材・密度・温度で体感差あり。 ※反発弾性と合わせて総合判断するのが実用的。 |
反発弾性とは
ニュートン(N)とは
- 定義:マットレスに圧力を加えたときに「元の形に戻ろうとする力の割合」を数値化したもの。
- 単位:%(JIS規格で20〜60%が一般的)
- 意味:寝返りのしやすさ・弾力性を判断する指標。
数値が高いと弾力が強く寝返りしやすくない、数値が低いと沈み込みが大きく体を包み込む寝心地になる傾向です。
ニュートン(N)とは
ニュートン(N)とは
- 定義:マットレスの硬さ(反発力の強さ)を示す単位で、正式には「荷重をかけたときに沈み込む力」を数値化したもの。
- 単位:N(ニュートン)
- 目安
・100N前後 → 柔らかめ
・150〜200N → 標準
・200N以上 → 硬め
ニュートンは数値が高いと硬めの寝心地で、数値が低いと柔らかい寝心地になる傾向です。
反発弾性率はウレタンマットレスだけの指標?
結論から言うと、反発弾性率は主にウレタンフォームを使ったマットレスで測定・表示されることが多いです。
- ウレタンマットレス(高反発・低反発)
→ 反発弾性率で表記されることが多い - スプリングマットレス
→ コイル線径・巻き数・配置などで性能を示す - ファイバーマットレス
→ 弾力性や通気性を特徴として打ち出すが、反発弾性率の表記は少ない
JIS規格(日本工業規格)で定められている反発弾性の測定方法は、ウレタンフォームを対象としています。そのため、ポケットコイルやボンネルコイルといった スプリングマットレスや、ファイバーマットレス(エアファイバー系)では、反発弾性率が明示されないことが一般的です。
コイルやファイバーは構造的に「硬さ・弾力」を数値化するのが難しく、メーカーごとに異なる指標(ニュートン値、密度、復元率など)を使う場合が多いくなってます。
反発弾性と高反発マットレスの関係
反発弾性が高いマットレスの代表例が「高反発マットレス」です。反発弾性率がおおむね 40%以上 のものが多く、体をしっかり支えながら自然な寝返りをサポートしてくれます。特に腰や背中に負担がかかりにくいため、腰痛対策や仰向け寝が多い人から高い支持を得ています。
また、体重が重めの方でも沈み込みすぎないため安定感があり、寝姿勢を崩しにくいのも大きな特徴です。
高反発マットレスの詳しい選び方や人気モデルはこちらの記事で解説しています。
まとめ|反発弾性を理解して自分に合ったマットレスを選ぼう
反発弾性は、寝返りのしやすさを左右する重要な指標です。
数値が高いほど寝返りはスムーズになり、腰や背中への負担が軽減されやすくなります。一方で、数値が低いほど体にフィットして包まれるような寝心地が得られます。
大切なのは「どちらが良い・悪い」ではなく、自分の寝姿勢・体型・好みの寝心地に合わせて選ぶことです。
快適な睡眠を得るためには、反発弾性を理解してマットレスを選ぶことが近道です。
今 真一