無垢材のベッドフレームや家具は、天然木ならではの温もりと香りがあり、寝室を心地よい空間にしてくれます。ただし、湿気や乾燥に敏感なため、適切なお手入れをしないとシミや反り、ひび割れの原因になってしまうことも。
「毎日使うものだからこそ、長く大切にしたい」
──そんな方に向けて、この記事では無垢材家具を長持ちさせるお手入れ方法を徹底解説します。日常の拭き掃除からオイルメンテナンス、やってはいけないNG習慣までまとめました。これを読めば、無垢材ベッドフレームをいつまでも美しく保ちながら、快適な眠りの環境を整えられますよ。
この記事の監修者
身長175㎝/体重62㎏。眠ハックの運営者。睡眠で悩む人の相談を受けたり講習会を通して睡眠の大切さを世に広める活動をしている。マットレスや枕選びはYouTubeで好評受付中。
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無垢材ベッドフレームを選ぶ人が増えている理由・メリット
無垢材ベッドフレームは、天然木ならではの質感や丈夫さから注目を集めています。ここでは、多くの人が無垢材を選ぶメリットを整理してみましょう。
国産無垢材ベッドフレームのメリット
- 自然素材ならではの温もりと香り
- 丈夫で長く使える「一生もの」
- 健康的な睡眠環境をサポート
- 経年変化を楽しめる
無垢材は一本の木から切り出した天然素材。そのため、木目や色合いが一つひとつ異なり、世界に一つだけの表情を楽しめます。ベッドルームに置くと、木の香りや質感が心を落ち着けてくれ、リラックス効果にもつながります。
また、集成材や突板のベッドフレームに比べて、無垢材は厚みがあり強度も高いため、耐久性にも優れています。しっかりお手入れすれば10年、20年と使い続けられるため、長期的に見ればコスパの高い選択といえるでしょう。
化学的な接着剤をほとんど使わないため、シックハウス症候群の原因物質(ホルムアルデヒドなど)が少ない点もメリット。寝室の空気環境を清浄に保ち、快眠につながると注目されています。年月が経つごとに色が深みを増し、艶やかに変化していくのも無垢材ならでは。ベッドフレームを単なる「家具」としてではなく、暮らしに寄り添う「相棒」として愛着を持てるのも、人気の理由です。
無垢材ベッドフレームの手入れが重要なワケ
無垢材のベッドフレームは、毎日の眠りを支える大切な家具。けれども天然木は湿気や乾燥にとても敏感で、そのままにしておくとシミや反りが出やすいんです。特に寝室は寝汗や加湿器、エアコンの影響で季節ごとに環境が大きく変わるため、気づかないうちにダメージが進んでしまうことも。だからこそ、日常的なお手入れを習慣にすることが長持ちの秘訣です。
【保存版】日常のお手入れ方法
無垢材ベッドフレームは、日々のちょっとしたケアで美しさと強さを長く保てます。特別な道具はいらず、普段の掃除の延長でできるので難しく考える必要はありません。
乾拭きが基本
まずは乾いた柔らかい布で、木目に沿ってサッと拭くだけ。力を入れる必要はなく、ホコリや手の皮脂を落とすつもりでやさしくおこないましょう。これだけでも木の表面はツヤを保てます。
乾拭きのやり方
- マイクロファイバークロスや綿布を用意する
- 布を軽くたたんで手に持ち、木目の流れに合わせて拭く
- ホコリが多い場合は、クロスを裏返したり折り直したりしてきれいな面を使う
- 週に1〜2回ほど行えば十分
乾拭きは「毎日きっちり」ではなく、気づいた時にサッと拭く感覚でOK。習慣にすれば、自然と長持ちにつながります。
水拭きは“固く絞って”
どうしても汚れが気になるときは、水拭きも可能です。ただし布はびっくりするほど固く絞ること。拭いたあとは必ず乾いた布で仕上げると、シミや反りを防げます。
水拭きのやり方
- 布を水で濡らし、手でねじるようにしてギュッと絞る(ポタポタ落ちる水滴が出ない状態まで)
- 汚れが気になる部分を、木目に沿ってやさしく拭く
- すぐに乾いた布で水分を完全に拭き取り、乾燥させる
- 夏場など湿気の多い時期は、扇風機の風を軽く当てると安心
水拭きは「たまに」で十分。毎日のようにやる必要はなく、汚れがついたときにだけ取り入れるのがおすすめです。
食べこぼしや水滴はすぐ拭く
ベッドサイドで飲み物をこぼしたり、寝汗がついたりすることもありますよね。そんな時は放置せず「気づいたらすぐ拭く」が鉄則です。木に染み込む前に対処すれば、跡は残りません。
他凹星などの拭き方
- こぼれた水分や食べかすを、乾いた布やティッシュで軽く吸い取る
- 必要があれば、固く絞った布で汚れをサッと拭く
- すぐに乾いた布で水分を完全に拭き取る
- シミが気になる場合は、数日乾かしてからオイルメンテで整えると◎
放置しないのが最大の予防策。水滴や食べこぼしは「拭いて乾かす」を徹底すれば、跡が残らず安心です。
ベッド下のホコリも忘れずに
意外と見落としがちなのがベッド下。湿気とホコリがたまりやすく、カビやダニの原因になります。掃除機やワイパーで定期的にきれいにしてあげましょう。
定期的なメンテナンス(オイル仕上げ/ウレタン仕上げ)
日常のお手入れだけでも十分ですが、仕上げ方法に合わせた定期メンテナンスを加えると、無垢材ベッドフレームはさらに長持ちします。仕上げには大きく分けて「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」があり、それぞれに適したケア方法があります。
オイル仕上げの場合
オイル仕上げの無垢材は“木の呼吸”を活かした仕上げ。しっとりとした質感を保つためには、定期的なオイル塗布がおすすめです。
メンテナンスの手順
- 表面のホコリを乾拭きで落とす
- 細かい傷や汚れがある場合は、目の細かいサンドペーパー(#400前後)で軽く研磨
- 布に専用オイル(亜麻仁油やオリオ2など家具用オイル)を少量染み込ませ、木目に沿って薄く塗り込む
- 10〜15分置いたら、余分なオイルを乾いた布でしっかり拭き取る
- 半日〜1日ほど乾燥させて完成
この作業は一見手間に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば30分ほどでできるシンプルな工程です。塗り直すたびに木の色艶が深まり、ベッドフレームがまるで育っていくような楽しみがあります。特に冬場の乾燥シーズン前に行うと、ひび割れや反りを予防できて安心ですよ。
目安:半年〜1年に1回程度でOK。乾燥が気になる冬前に行うと効果的です。
ウレタン仕上げの場合
ウレタン塗装は表面に透明な膜を作り、水や汚れに強いのが特徴。そのため日常ケアだけで十分ですが、定期的に専用クリーナーを使うと、ツヤをきれいに保てます。
メンテナンスの手順
- 柔らかい布で乾拭き
- 汚れが気になる場合は、中性洗剤を薄めた水でサッと拭く
- すぐに乾いた布で水分を拭き取る
- 仕上げに家具用ワックスやウレタン対応のクリーナーを薄く塗布すると、表面の保護力が高まる
目安:年に1回程度で十分。特に食べ物や飲み物を置くことが多い場合。
オイル仕上げとウレタン仕上げは、見た目は似ていてもケア方法が異なります。自分のベッドフレームがどちらの仕上げかを確認してからお手入れを始めるのが大切です。間違ったケアをすると逆に劣化を早めることもあるので要注意ですよ。
季節ごとの注意点(寝室環境に特化)
無垢材ベッドフレームは、寝室の環境に大きく影響されます。特に日本の四季は湿度や温度の変化が大きいため、季節ごとの工夫が長持ちのポイントになります。
季節 | 注意点 | 具体的な対策 |
---|---|---|
夏 | 湿気や寝汗によるカビ・シミ | ・ベッド下の風通しを確保 ・除湿シートやサーキュレーターを活用 |
冬 | 乾燥や加湿器・暖房の影響 | ・加湿器の蒸気を直接当てない ・エアコンの温風が当たらない場所に設置 |
春・秋 | 急な温度・湿度変化 | ・窓を開けて風を通す ・環境の変化に合わせて換気や湿度調整を意識 |
夏:湿気対策が第一
梅雨から夏にかけては湿度が高く、寝汗も増える時期。ベッド下に湿気がこもらないように、こまめに換気しましょう。すのこ構造なら除湿シートを敷くとさらに安心です。
冬:乾燥と暖房の影響に注意
加湿器を使う家庭も多いですが、蒸気が直接ベッドフレームに当たらないように配置を工夫しましょう。またエアコンの温風も乾燥やひび割れの原因になるため、風が直接当たらない場所に置くのがおすすめです。
春と秋:環境変化に合わせて微調整
季節の変わり目は、湿度や温度が大きく変わるタイミング。窓を開けて風を通すなど、無垢材が呼吸できる環境をつくることを意識すると良いでしょう。
やってはいけない!NG習慣とその理由
無垢材は自然の木そのものだからこそ、ちょっとした扱い方の違いで寿命が大きく変わります。気づかずにやってしまいがちな習慣が、実はシミや反り、ひび割れの原因になっていることも。ここでは「やってはいけないNG習慣」とその理由を整理してご紹介します。
無垢材はとてもデリケートな素材。知らず知らずのうちにやってしまう習慣が、シミやひび割れ、カビなどの原因になっていることもあります。長く使うためには「やらない方がいいこと」を知っておくのも大切です。
NG習慣 | 理由 | どうすればいい? |
---|---|---|
濡れ布巾を置いたままにする | 水分が木に染み込み、シミやカビの原因になる | 拭いたら必ず乾いた布で仕上げる |
強力な洗剤やアルコールを使う | 塗装や木の表面を傷め、変色や劣化のリスク大 | 中性洗剤を薄めて使うか、乾拭きを基本に |
ベッド下に物をぎっしり収納 | 湿気がこもりやすく、反りやカビの原因になる | 収納する場合は除湿剤を置いて通気性を確保 |
直射日光やエアコンの風が当たる | 日焼けやひび割れ、乾燥を招きやすい | カーテンや家具の配置で直射や風を避ける |
どれもついやってしまいがちなことですが、意識して避けるだけで家具の寿命はぐんと延びます。無垢材は“手をかけた分だけ応えてくれる素材”なので、毎日の暮らしの中で小さな工夫を重ねていきましょう。
傷・シミがついた時の対処法
どんなに気をつけていても、無垢材ベッドフレームに小さな傷や水滴のシミがついてしまうことはあります。でも心配はいりません。無垢材は“直して育てられる素材”なので、正しい方法で対処すれば美しさを取り戻せます。ここでは代表的なリペア方法をご紹介します。
軽い凹みのリペア
- 水を含ませた布を凹みにのせる
- その上からアイロンを低温で数秒あてる
- 木が水分を吸ってふくらみ、目立たなくなる
ちょっとした凹みなら、この方法でほとんど気にならなくなります。深い傷は完全には消えませんが、見た目がかなり改善されます。
表面のシミ対処
- 紙やすり(#400前後)で木目に沿って軽く研磨
- 汚れ部分を取り除いたら、専用オイルを薄く塗り込む
- 余分なオイルを拭き取り、半日ほど乾燥させる
水滴や食べこぼしでついたシミは、早めの対応ならほとんど跡が残りません。深めに染み込んでしまった場合も、研磨とオイルでリカバリーできます。
色あせ・日焼けの改善
- 直射日光で色が抜けた部分は完全には戻せない
- ただしオイルを塗布することで色味が落ち着き、全体になじむ
- 部屋の模様替えで日焼けムラを均等にするのも効果的
日焼けは「完全に消す」のは難しいですが、オイルで深みを出すことで自然な風合いに調整可能です。
どの対処法も「木目に沿ってやさしく」が基本。焦らず少しずつケアすることが、無垢材を美しく保つコツです。
無垢材ベッドフレームを長持ちさせる工夫
無垢材は日々のお手入れに加えて、ちょっとした工夫を取り入れることでさらに寿命を延ばせます。毎日の暮らしに取り入れやすいポイントをいくつか紹介します。
コースターやマットを活用する
ベッドサイドで飲み物を置くときは、直接フレームに置かずにコースターやランチョンマットを使いましょう。水滴や熱によるシミを防げます。
定期的に位置を変える
ベッドの設置位置をほんの少し動かすだけでも、日光による色あせやムラを軽減できます。模様替え感覚で取り入れると◎。
メンテナンス用オイルを常備する
オイル仕上げのベッドなら、専用オイルを1本持っておくと安心。乾燥が気になるときや軽い傷の補修にも役立ちます。
寝室の湿度・温度管理を意識する
加湿器や除湿機をうまく使って、湿度40〜60%を目安に保つと無垢材も人の体も快適。寝室全体の環境づくりが家具と睡眠の両方を守ります。
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まとめ|無垢材ベッドフレームは“育てる家具”
無垢材ベッドフレームは、天然木ならではの温もりと香りで寝室を心地よい空間にしてくれる反面、湿気や乾燥に敏感なデリケートな素材です。
- 普段は乾拭きとこまめな水分対策
- 定期的にオイルやクリーナーでメンテナンス
- 季節ごとの環境変化に合わせた湿度・温度管理
- NG習慣を避けて、小さな工夫を積み重ねる
この4つを意識するだけで、無垢材は10年、20年と使える“一生ものの家具”になります。
ちょっとした手間が、年月とともに深まる木の艶や味わいへとつながり、毎日の眠りを支えてくれる頼もしい存在に育っていきます。大切なベッドフレームだからこそ、ぜひ今日からできるお手入れを始めてみてください。
今 真一