「結局、どのマットレスが一番いいんですか?」
この質問を何度も受けてきました。
レビューを重ねるほどに思うのは、ずっと同じ結論です。
マットレス選びに“正解”は存在しません。これは逃げでも、曖昧にしたいわけでもなく、実際に数えきれない寝具を試してきたうえでの実感です。
この記事の監修者
身長175㎝/体重62㎏。眠ハックの運営者。睡眠で悩む人の相談を受けたり講習会を通して睡眠の大切さを世に広める活動をしている。マットレスや枕選びはYouTubeで好評受付中。
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「正解を探したい」という気持ちが強すぎる
マットレス選びに悩む人ほど、「正解がどこかにある」と信じています。
- ランキング1位
- 医師監修
- 口コミ評価★4.5以上
- 有名ホテル採用
こうした情報を集めるほど、選べなくなっていく。
でも、冷静に考えてみてほしいのです。
体格も、体重も、骨格も、生活習慣も、疲れ方も違う人間に「万人向けの正解」があるわけがない。
それなのに、私たちは「誰かの正解」を探しに行ってしまいます。
寝具は“合う・合わない”の世界にある
マットレスは「性能」がある程度似通っていても、体との相性はまったく別物です。
同じマットレスでも
- 「腰が楽になった」と言う人
- 「逆に腰が痛くなった」という人
- 何も変わらなかった人
全員が存在します。
これはレビューを書いていて痛感します。
合う人にとっては“神寝具”でも、合わない人にとっては“苦痛の塊”になります。
つまり、ここに絶対評価は存在しません。相対評価だけの世界です。
「正解がない」という事実が、人を不安にさせる
人は「これを選べば間違いない」という答えを求めます。
だからランキングを見ます。
だからYouTubeを見ます。
だから口コミを探します。
でも本当のところ、探しているのは「商品」ではなく、「これを買っても後悔しない保証」なのだと思います。
正解がない世界は怖い。でも、そもそもこの世界は最初から“正解が用意されていない”ジャンルでした。
実体験から言えること正直に言います。
自分自身も何度も失敗しています。
- 評判が良かったのに合わなかった
- 高額だったのに腰が痛くなった
- 安いのに妙に落ち着いた
こうした経験を積んで、やっとわかったことがあります。
選び方は学べても、正解は学べない。
マットレス選びは「知識ゲー」ではなく、どこまで自分の感覚を信じられるか、という世界です。
正解がないからこそ、大事にしたい視点
正解はないけれど、「失敗しにくくする視点」はあります。
個人的に大事にしているのは
- 数値よりも違和感がないか
- 横になったとき呼吸が浅くならないか
- 「早く起きたい」と思わないか
スペックではなく、“感覚の否定”を減らしていくだけでも、大外しはしにくくなります。
「どれが正解か」ではなく「何なら後悔しないか」
この視点は、とても大事だと思っています。
正解の寝具を探すのではなく、「仮に失敗しても、納得できる選び方か?」
価格も、ブランドも、人それぞれ違う基準でいいですし、他人の成功談よりも、自分の「納得感」を優先してほしいと思います。
まとめ:正解がないのは、怠慢ではなく事実
マットレス選びに正解がないのは、
- 業界が不親切だからでもなく
- 情報が足りないからでもなく
もともとそういう性質の世界だからです。
だから迷うのは当たり前です。正解を見つけられない自分を責める必要はありません。
大切なのは、「誰かの正解」にすがることよりも、「自分の感覚に少しずつ慣れていくこと」。それが、マットレス選びで本当に必要なことだと考えています。
今 真一