イライラしていると、疲れていても眠れないことがあります。
早く寝て忘れたい、睡眠がストレス発散になる人にとっては、かなり苦しい状態です。そこで今回はイライラして眠れなくなる理由を紹介します。
具体的な対処法も紹介しているので、眠れなくて悩んでいる人は参考にしてくださいね。
イライラして眠れない理由は?
イライラして眠れないと、それがまたストレスとなり悪循環に陥ります。ここでは「イライラ」が睡眠にどう影響するのか、眠れなくなる理由を2つ確認していきましょう。
自律神経のバランスが乱れている
イライラして眠れないのは、自律神経のバランスが乱れているためです。自律神経とは内臓や体温など体の全機能をコントロールしている神経で、交感神経と副交感神経から成り立っています。
スムーズに入眠するための条件のひとつが、副交感神経が優位になっていることです。副交感神経が優位になると脈拍や血圧は下がり、体は自然に「お休みモード」になります。
反対に、交感神経は体を興奮させたり、緊張させる神経です。イライラしていると、この交感神経が優位なまま夜を迎えてしまいます。スムーズな入眠をもたらす副交感神経が機能していないため「イライラして眠れない」「寝ても目が覚める」といった状態になるのです。
精神疾患の症状
あまりにもイライラして眠れない状態が続いているなら、精神疾患を発病している可能性があります。精神疾患とは「自律神経失調症」「統合性失調症」「不安障害」などで、不眠や睡眠障害は代表的な症状のひとつです。
自律執権失調症や統合性失調症が長引いたり、悪化すると「うつ病」を発病する可能性があります。
うつ病はストレスにより脳機能が著しく低下した状態で、日常生活にも支障をきたす病です。
「イライラして眠れない」「夜中に目が覚める」ほかに、目が覚めてから再び眠ることが難しい「再入眠困難」などの症状があれば、うつ病を疑ってみましょう。
イライラして眠れないときの対処法
イライラして眠れないときほど焦ったり考え事をはじめてしまうと、ますます眠れなくなります。そうならないための対処法を6つ紹介するので確認していきましょう。
- 焦らない
- 呼吸を整える
- ストレッチをする
- 睡眠環境を見直す
- スマホを見ない
- とりあえずベッドを出る
焦らない
イライラして眠れないときは、焦らずリラックスすることが対処法になります。なかなか眠れないからといって「早く寝なきゃ」「明日も仕事だ」と焦るほど、逆効果です。焦る行為そのものがストレスになり、交感神経を優位に働かせて、ますます眠れなくなるでしょう。
副交感神経を優位にしてリラックスするためにも、焦りは禁物です。目を閉じて「眠れなくても大丈夫」と自分を安心させてあげると、焦りや不安感が薄れて入眠しやすくなります。
呼吸を整える
呼吸を整えるのも、眠りやすくする方法のひとつです。イライラして眠れないときは、自然と浅くて速い呼吸になっています。
浅くて速い呼吸とは、走ったあとの「はぁはぁ」と息が荒く乱れた状態です。交感神経が優位に働いているため、呼吸を整えて副交感神経を優位にしてあげましょう。
呼吸を整えて副交感神経を優位にする方法は、深呼吸をすることです。お腹が膨らむように鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐き出す呼吸を繰り返します。何回か深呼吸するうちに副交感神経が優位になるため、イライラや不安も落ち着くはずです。
ストレッチをする
いつも以上にイライラしたり、怒りを感じる出来事があった日は、寝る前にストレッチやヨガをしましょう。呼吸を意識しながら行うストレッチやヨガは、軽い瞑想状態になるためリラックス効果が高いです。副交感神経が優位になりやすく、スムーズな入眠が期待できます。
天気のいい日であれば、散歩のような軽めのウォーキングも効果的です。
外の空気を吸いながら景色を眺めれば、心身ともにリラックスできるでしょう。ただ、ウォーキングを取り入れるなら、就寝時間から逆算して2~3時間前までに終わらせましょう。寝る時間のギリギリまで運動してしまうと、交感神経が優位になるため注意が必要です。
睡眠環境を見直す
イライラし眠れない、夜中に何度も目が覚めるといった状態が続いているのであれば、睡眠環境を見直してみましょう。
もっとも睡眠に影響しやすいマットレスや枕などの「寝具選び」がポイントです。硬すぎるマットレスや分厚すぎる枕は、睡眠中の寝返りを妨げる原因になります。そのまま使い続けていると、入眠しにくくなるだけでなく睡眠の質も悪化するでしょう。
また、寝室の温度も大切です。季節により気候が大きく変化する日本では、気温の変化に合わせた室温の調整が欠かせません。寒すぎると体はこわばり、暑すぎると熱がこもって寝つきが悪くなります。エアコンを上手に使いながら、心地いい温度を探してみてくださいね。
スマホを見ない
スマホを見る時間を控えめにすると、イライラして眠れないときの対処法になります。ベッドの中で眠れないからといって、スマホを見るのは逆効果です。スマホやパソコンの画面が発するブルーライトの刺激により、脳が覚醒してしまいます。
なるべくベッドに入る1時間前までに、スマホやパソコンの使用は終わらせましょう。スマホを見ないかわりにストレッチや瞑想をしながら過ごすと、イライラも軽減されて入眠もしやすくなるはずです。
とりあえずベッドを出る
どうしても眠れない、イライラが治まらないといった場合には、ベッドから離れてみましょう。そのままゴロゴロしていても、思考はどんどんネガティブになるだけです。いさぎよくベッドを離れて、気持ちを切り替えましょう。
寝れなくて生活に支障が出るなら医療機関へ
寝れない状態が続くことにより生活に支障が出そうであれば、早めに医療機関を受診しましょう。ここでは医療機関を受診する目安や科について紹介します。
受診する目安
寝れないことで心身ともに不調をきたしていると感じたら、受診しましょう。不調とは例えば昼間に強い眠気を感じる、体がだるい、集中できないといった状態です。また自分で対策をしても解消されない、不眠がかれこれ1カ月程度続いている場合も、早めの受診を検討しましょう。
受診する科
寝れないときに受診する科は、心療内科や精神科です。ただ寝れない原因が異常な「いびき」や息苦しさにあるなら耳鼻咽喉科、昼間に異常な眠気を感じるなら脳神経内科の可能性もあります。どの科を受診するべきか迷うときは、かかりつけ医や内科で相談してみましょう。
まとめ
イライラして寝れない、疲れているのに寝れないときは、交感神経が優位に働いています。
交感神経を静めて、副交感神経を優位にするためには、心身をリラックスさせる必要があります。好きな音楽を聴いたり、リラックス効果のあるハーブティーを飲んで、ゆったり過ごしましょう。それでもイライラが治まらない、寝れない状態が続いている人は、早めに医療機関を受診してください。
睡眠不足を放置すると治療が長期化したり、精神疾患を患う原因になります。「通院することになったら、どうしよう」など先々まで考えすぎず、相談する気持ちで受診しましょう。