ノンレム睡眠とレム睡眠。
睡眠の質を語るうえで欠かせないこの2つの睡眠ですが、みなさんは正しく理解していますか?
「ノンレム睡眠をどれだけとることができるか」
このことが日中のパフォーマンスをあげることにも、ストレス軽減や肌質改善などにも大きく関係しています。
今回はそのメカニズムを簡単に説明し、より効果を得るためにすぐ始められる3つのことをご紹介していきます。
寝つきが悪い、日中眠たくなることも実はこの「ノンレム睡眠」をしっかりとれていないことが原因とも考えられます。
少しでも睡眠に関する悩みを抱えている方はぜひ読んでみてください。
目次
ノンレム睡眠とレム睡眠
「ノンレム睡眠とレム睡眠」はいわゆる「深い眠りと浅い眠り」という関係になります。
睡眠はこの「深い眠りと浅い眠り」の2タイプがあります。
眠り始めは深く、徐々に浅い眠りになり、やがて起きるというのが眠りという行動です。
レム睡眠の特徴
身体の眠りとしての役割
➡身体を休める
レム睡眠中の脳波と筋肉の動きを調べると、脳は活発に動いていて、筋肉はぐったりとしている状態であることがわかります。
そのことから身体を休める睡眠であるといわれており、このレム睡眠に夢を見ると考えられています。
ノンレム睡眠の特徴と効果
脳の眠りとしての役割
➡脳を休める
脳を休めるノンレム睡眠は大人になるにつれて増えます。
こちらの画像は成長とレム睡眠の割合の関係です。
胎児はレム睡眠の割合が75%、新生児が50%、3~5歳児は20%前後と徐々に減っていきます。
これは成長するにつれて脳を使うことが増え、より多く「脳の眠り」が必要になってくるからです。
そして重要なのが、成長ホルモンの分泌です。
成長ホルモンは眠りが最も深いときに分泌されます。
「寝る子は育つ」とよくいいますが、実は睡眠時の成長ホルモン分泌に関わる言葉なんです。
この成長ホルモンは身体にたくさんのメリットを与えてくれます。
金縛りは睡眠障害?
ぼくも以前経験したことがあるこの「金縛り」。
心霊現象の類とされてますが、全体の30~40%のひとが経験したことがあるといいます。
しかし、近年では「金縛り」は医学的にいうと「睡眠麻痺」というものらしく、睡眠障害のひとつと考えられています。
金縛りのメカニズム
レム睡眠(からだが寝ているとき)時に脳が起きてしまった状態。
この状態だと、意識はあるのに体が寝ているのでまぶたひとつ動かすことがすぐにできない。
どんな怪奇現象も科学で証明されていきますね。
ノンレム睡眠(成長ホルモン)の効果を最大限に!
ノンレム睡眠時に分泌される成長ホルモンの効果を得る。
そのためには入眠してすぐ~2.3時間くらいの「ノンレム睡眠」にすべてかかています。
つまりこのレム睡眠さえ攻略すれば成長ホルモンの分泌を充分にでき、睡眠の質を上げることができます。
睡眠の悩みを抱えている方にとってはそんな簡単なことではないかもしれません。
しかし、できることから少しずつ始めるのもやり方のひとつだと考えてみてはいかがでしょうか。
ノンレム睡眠で得られる効果
ノンレム睡眠はいろんなホルモンの分泌を促します。
その効果は「身体的」「精神的」とさまざまです。
②ストレス減少
③肌質改善
④風邪を引きにくくなる
⑤ダイエット効果
①仕事のパフォーマンスが上がる
しっかりと深い睡眠をできることが、日中の活動に良い影響をあたえます。
その中でも、仕事の影響には目をそらせません。
よく睡眠を削って仕事をするなんてことも聞いたりしますが、それは大きな間違いです。
脳がしっかり休めていないことは非効率につながり、集中力の低下やいらいらしやすくなるなどマイナス要因が起き、半端な仕事やミスにつながります。
②ストレス減少
睡眠とストレスはとても深い関係にありますが、直接ストレスを軽減するという効果はありません。
しかし①に書いたような仕事のミスが減ることで、ストレスが起きるリスクを減らすことにつながります。
③肌質改善
睡眠は美容やアンチエイジングに効果があります。
ノンレム睡眠時に分泌される成長ホルモンは新陳代謝を促進します。
新陳代謝の促進が肌のターンオーバーを早め、日中に外気で受けたダメージの修復をしてくれるので「睡眠は1番の美容法」といわれるゆえんでもあります。
④風邪を引きにくくなる
ノンレム睡眠をしっかりとれることは免疫力を高めるといわれています。
良質なノンレム睡眠をとることで身体の機能が修復されます。
その修復された良い状態を保つことがウイルスなどへの抵抗力となり、身体を守ってくれます。
⑤ダイエット効果
あまり関係なさそうですが、「成長ホルモンはダイエットの味方」とされるほどうれしい効果が期待できます。
成長ホルモンの新陳代謝の促進とレプチンという分泌ホルモンの食欲抑制効果です。
良い睡眠のためにすぐ始められる3つのこと
ノンレム睡眠の深い睡眠時にホルモンが分泌されます。
ここでいう「良い睡眠」というのはホルモンが分泌される深いノンレム睡眠のことです。
今日から実践できて「良い睡眠」を得るための方法を3つあげます。
①室温・湿度に気をつける
②就寝1時間前からスマホやテレビを控える
③40度のお風呂につかる
①室温・湿度に気をつける
快適な室温でないと寝つきが悪くなります。15.5度~20度が最適といわれています。また湿度についても注意が必要で高いと寝つきに影響がでます。冷え性だからといって靴下をはくことも湿気がこもり熱が逃げにくくなるのでNGです。
②就寝1時間前からスマホやテレビを控える
スマホやテレビの光は脳への刺激が強く、ブルーライトが睡眠を促すホルモンを抑制して寝付きにくくしてしまいます。
③40度のお風呂につかる
40度のお風呂に15分浸かると、一時的に体温が上がり約90分かけて体温を下げて眠りにつきやすくなります。
体温を下げることは眠るために必須です。
耳マッサージも効果的
3つ挙げましたがさらに簡単にいつでもできるマッサージをご紹介します。
それは「耳つぼマッサージ」。
耳にはツボがたくさんあり、あらゆる効果が期待できます。
やり方は、耳を半分に軽く折るようにしてもみほぐす。
これを20回くらい布団に入る前におこないます。
それだけで、血流が良くなり自律神経の乱れを整えてリラックス効果があるのです。
不眠症の他にもダイエットや冷え性などいろんな効果があるのでおすすめですよ!
睡眠のゴールデンタイムは本当はない?
2020年に販売開始された枕で「ブレインスリープピロー」というものがあります。
このまくらは米国スタンフォード大学の医学部精神科教授「西野精治氏」の著書「スタンフォード式 最高の睡眠」の睡眠科学をもとにつくられたまくらです。
販売開始以来、大人気で売切れが続き、いまでは手に入りにくい枕となっています。
枕もさることながらこの方「西野精治氏」はゴールデンタイムについてこう語ります。
ゴールデンタイムというのは、おそらく成長ホルモンが出るタイミングのことを言っていると思います。
成長ホルモンは何時に寝たら出ると決まっているわけではなく、最初の深いノンレム睡眠時に出ます。何時に寝ても最初に深いノンレム睡眠が出現すれば出ます。もし「20時に寝たいのにゴールデンタイムの22時までガマンしよう」などと考えていたとしたら、まったくのナンセンスです。入眠時に深い睡眠がでるように規則正しい生活をすることが大事です。
Techblitzインタビュー記事より抜粋
このように、西野精治氏はゴールデンタイムは時間で決まっているのではなく眠い時に寝たとき=ゴールデンタイムと語っています。
22時から2時までがゴールデンタイムだと信じていた僕にとってはけっこう衝撃的な考え方でした。
入眠時に深い眠りにつくためには「眠いときに寝る」。
このあたりまえのようなことが大事だったんですね。
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参考ブレインスリープピローはほぼステマ?怪しいといわれる理由を徹底調査してみた!
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
すべて読んでいただいた方には睡眠について少し理解を深められたのではないかと思います。
すぐに実践できることを3つご紹介しましたが、1日だけ試しても効果は得られにくいかもしれません。
毎日のルーティンとすることで気持ちもポジティブになり、睡眠の質改善だけではなく生活全体の質を高めることにもつながると信じています。
気持ちの面でポジティブになるということが大事なんです。
この記事が少しでもきっかけになれば幸いです。